マクロン大統領、蔓延するフェイクニュースに対抗する法律を検討
フランス大統領のエマニュエル・マクロン氏は3日、インターネット上で蔓延する“フェイクニュース”を規制するための法律を制定する計画があると発表した。
法律によりフェイクニュースの撤回やアカウントの閉鎖も
マクロン氏は新年のスピーチで「我々は民主主義を守るため、フェイクニュースに対する法的手段を制定するつもりだ」と宣言。法案の詳細については数週間以内に発表するとした。
マクロン氏によると、この法律を通じては、ニュースの可否を判断する判事がメディアに対しフェイクニュースの撤回を命じることに加え、アクセスの停止や偽りの情報を蔓延させるソーシャルメディアアカウントの閉鎖なども可能になるという。
Did you say #FakeNews, Mr. President? It's time to set the record straight.
Here's an open letter from #DiEM25's CC member, @PaolaPietrandre, to @EmmanuelMacron ➡️ https://t.co/oldaSOce7O #European #democracy #news #media #France #Macron #EnMarche pic.twitter.com/aECgJHvB6A
— DiEM25 (@DiEM_25) January 9, 2018
さらに透明性を高めるため、すべての報道機関はスポンサーを公表しなければならないともした。
マクロン氏は、“国外からの操作、あるいは影響を受けるチャンネルによる、あらゆる不安定化の試みと戦う”ため、フランスにおける報道機関の監督機関である視聴覚高等評議会の権力強化を行うとも言及。
そのようなチャンネルに関しては、フランス国内のテレビで放送される予定のあるものについては中止することも可能となるという。
背景にはロシアによるプロパガンダ放送の存在
マクロン氏は、昨年5月に大統領に選出されて以来、ロシアメディアを激しく非難してきた。
#Putin approves harsher penalties, including life sentences, for terror recruiters https://t.co/PDBG8EXEwA #terrorism #Russia pic.twitter.com/vcz3MuKvuW
— Sputnik (@SputnikInt) December 30, 2017
ロシア政府の実質国営メディアである「RT」「スプートニク」はいずれもフランス語のウェブサイトを持つ。
これについて、昨年5月にロシアのウラディミール・プーチン大統領との間で行われた共同記者会見の場において、マクロン氏は“中傷的な偽情報”“偽りのプロパガンダ”を報じているとして糾弾している。
マクロン氏は大統領に立候補していた際、インターネット上でリークされてきた数々の内部文書を閲覧。“アメリカ大統領選挙のキャンペーンの際にみられたような民主主義の不安定化”を試みるものであるとして、これらについても激しく非難していた。
また“何千にも及ぶソーシャルネットワーク上のプロパガンダ用アカウント”は「世界中にあらゆる言語で広がっており、政府関係者や個人、著名人、そしてジャーナリストの名誉を傷つける嘘が生み出されている」と述べ、懸念を示している。
https://twitter.com/CGMS271/status/947627330687598592
ドイツでは既にフェイクニュースへの対抗法が存在
フェイクニュースに対し、法をもって対抗する試みはフランスのものが初めてではない。
ドイツでは、ソーシャルネットワーク上でフェイクニュースや悪意ある投稿を即座に削除しなかった場合、最大5000万ユーロ、日本円にして67億円以上もの罰金が課せられる恐れがあるという。
近年フェイクニュースが蔓延し、既存政党への不信と右翼政党が急伸長するフランス。今回の法改正は、そのような流れを食い止めるものになるのだろうか。(了)
出典:The Local France:Macron vows new law to combat fake news with Russian meddling in mind(1/4)
出典:POLITICO.eu:Macron’s fake news law will protect democracy(1/8)