ラファのキャンプ場への空爆で45人が死亡、世界各国がイスラエルを一斉に非難
イスラエル軍がラファにある避難民のキャンプを空爆したことについて、数多くの国や国際機関がイスラエルを非難している。
「安全地帯」に指定されたエリア
イスラエル軍は5月26日、多くのパレスチナ人が避難し、テントで暮らしていたエリアを攻撃。これにより、少なくとも45人のパレスチナ人が死亡した。
攻撃を受けたエリアは、イスラエル軍によって「安全地帯」に指定されており、犠牲者には多くの女性と子供も含まれていたという。
パレスチナ自治政府は、「イスラエル軍が、意図的に民間人をターゲットにしている」と非難。一方、イスラエル側は、「戦闘中に非戦闘員に被害を与えたことを遺憾に思う」とし、調査を行っていることを明らかにした。
Israeli forces kill more than 40 Palestinians after bombing a Gaza camp for displaced Palestinians. In a designated ‘safe zone’ in Rafah, fire tore through tents, burning people alive, days after the ICJ ordered Israel to stop its assault. pic.twitter.com/AcqlAcLwFA
— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 27, 2024
世界各国が非難
この攻撃については、世界各国から非難の声が寄せられている。
カタール外務省は、この攻撃はガザ地区の人道危機を悪化させる、重大な国際法違反であると非難。
エジプトの外務省も、この攻撃が「意図的なもの」だと非難し、イスラエルに対し、ラファでの「軍事作戦の即時停止に関して、国際司法裁判所(ICJ)が命じた(停戦)措置を実行する」よう求めたという。
トルコのエルドアン大統領も、この空爆について、「野蛮なイスラエル首相、ベンヤミン・ネタニヤフの責任を追及するために、あらゆる手段を講じる」と述べた。
スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外務大臣も、今回の攻撃が国際司法裁判所の命令を無視したものであるために、責任は「さらに大きい」と非難したそうだ。
アイルランドのマイケル・マーティン外相も、今回の攻撃を「野蛮」だと非難。次のように述べた。
「私たちはイスラエルに対し、ラファでの軍事作戦をやめるよう、今すぐやめるよう強く求めます」
ノルウェーのエスペン・バルト・エイデ外務大臣も、今回の攻撃は「国際司法裁判所の決定に対する重大な違反」であると発言。さらに、「国際司法裁判所(ICJ)から、イスラエルに対しラファへの攻撃を中止するよう命じる強制命令が出された。それは義務です。それには拘束力がある」と述べている。
欧州連合(EU)のジョゼップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表も、アラブ諸国の外相らと会談し、「イスラエルはラファへの攻撃を停止するICJの判決に従う必要がある」と述べたという。
ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相も「国際人道法はすべての人に適用され、イスラエルの戦争遂行にも適用される」と述べたそうだ。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も「X」において、次のように述べ、イスラエル軍の攻撃を非難した。
「この激しい紛争から避難を求めていただけの無実の市民が、数多く殺された。ガザ地区に安全な場所はない。この恐怖は止めなければならない」
ベルギーのペトラ・デ・サッター副首相は「X」において、「今こそ、イスラエルに対し、制裁する時だ」と投稿した。(了)
出典元:Al Jazeera:‘Heinous massacre’: Israel’s attack on Rafah tent camp widely condemned(5/27)