米政府、ウクライナに自国兵器をロシア領内へ向けて使用することを許可
アメリカ政府は、ウクライナ軍がロシア領内を攻撃する際、自国の兵器を使用できるよう許可を出した。
アメリカ製武器の使用制限を緩和
アメリカのジョー・バイデン大統領は5月30日、ウクライナ軍がロシア国境付近で、アメリカ製の武器を使って攻撃することを許可した。
これまでアメリカ政府は、自国の兵器を使って、ウクライナ軍がロシア領内を攻撃することを禁止してきたが、その制約が緩和されたことになる。
アメリカの政府関係者は「大統領は最近、政策チームに対し、ウクライナがハルキウ(北東部)地域において、(敵の)砲火に対応する目的で、アメリカが供給する兵器を使用できるようにし、攻撃中または攻撃準備中のロシア軍に反撃できるようにするよう指示した」と述べた。
ただし戦術ミサイルシステム「ATACMS」など、アメリカ製の長距離兵器の使用制限は残ったままとなっている。
アメリカの政府関係者も「ATACMSの使用や、長距離攻撃を禁止するという我々の方針は変わっていない」と述べている。
ただ、この制限の緩和により、今後ウクライナ軍は、ロシアのベルゴロド州国境に集結しているロシア軍を狙うことも可能になるという。
「HIMARS」が使用可能か?
ウクライナ北東部のハルキウ州では、ロシア軍の攻撃が続いており、多くの犠牲者が出ていたが、ウクライナ軍はロシア領内への攻撃ができず、不満を募らせていた。
またNATOの事務総長や、他の国々も、ウクライナ軍がロシア領内を攻撃できるようにすべきだと主張してきた。
このためフランスのマクロン大統領は、ロシア領内にあるミサイル基地などの軍事施設への攻撃に限って、フランス製の長距離ミサイルを使用することを許可した。(ただし民間施設やその他の軍事施設への兵器使用はすべきではないとしている)
今回のアメリカ政府による制限緩和で、ウクライナ軍は高機動ロケット砲システム「HIMARS」を使用できるとの見方が出ており、ロシア領内にいる砲兵、多連装ロケットシステム、指揮統制所なども標的にできる可能性があるという。
これによりウクライナ軍がハルキウ州を防衛するのが容易になり、逆にロシア軍がこの方面へ攻撃を続けることがより困難になると考えられている。
ロシア軍は25日も、ハルキウ州にある大型商業施設を攻撃し、十数人のウクライナ人が死亡し、40人以上が負傷した。(了)
Horrifying footage from inside a shopping center during the Russian attack on Kharkiv.
As we can see, there are no signs of a military target. It’s just an unpunished extermination of the Ukrainian people. pic.twitter.com/sSF7lL4AGR
— Maria Drutska 🇺🇦 (@maria_drutska) May 26, 2024
出典元:The Guardian:Biden changes stance to allow Ukraine to fire US-supplied weapons into Russia(5/30)