イスラエル首相「戦闘終結の条件は変わっていない」、ガザ停戦案に対し発言
アメリカのジョー・バイデン大統領などが打ち出した停戦案に対し、世界各国が支持しているが、イスラエルのネタニヤフ首相は、従来からの発言を繰り返した。
「ハマス」も停戦案を前向きに検討
バイデン大統領は5月31日、エジプトやカタールの仲介のもとで、ガザ地区での新たな停戦案を発表した。
その停戦案は、3段階に分けて人質の交換などを行うもので、過去に何度も提案されてきた内容とあまり変わりはないが、国連やイギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、EUなどは、この停戦案を支持し、紛争を終わらせるよう訴えた。
またイスラエルの野党指導者、ヤイル・ラピド氏もネタニヤフ首相に対し、人質と停戦協定に同意するよう促し、人質にされているイスラエル人の家族らも、停戦案に合意するよう、政府に訴えている。
さらに「ハマス」側も、これまでイスラエルの軍事作戦がガザ地区で継続している間は交渉に応じないという立場を繰り返していたが、5月31日には「この停戦案を、前向きに受け止めている」と声明を発表した。
ネタニヤフ首相は停戦案に後ろ向き
しかしネタニヤフ首相は6月1日、バイデン大統領の停戦案発表の後、ユダヤ教の安息日に異例の声明を発表し、次のように述べた。
「イスラエルの戦闘終結の条件は変わっていない。ハマスの軍事力と統治能力の破壊、人質全員の解放、ガザがイスラエルにとって脅威ではなくなることの保証だ。これらの条件が満たされる前に、イスラエルが恒久的な停戦に同意するという考えはあり得ない」
またイスラエルの戦時内閣に参加している、極右政治家のイタマール・ベン・グヴィル国家安全保障相とベザレル・スモトリッチ財務相は、ネタニヤフ首相に対し、「バイデン大統領の停戦案を受け入れれば、連立政権を離脱し、政権を転覆させる」と伝えたという。
その一方で、アメリカ議会の共和党と民主党の指導者は、ネタニヤフ首相を招待し、上下両院で演説を行うよう要請。
ネタニヤフ首相も、この招待を快く受け入れ、「アメリカ議会の両院でイスラエルを代表し、アメリカ国民と全世界の代表に、我々の正義の戦いの真実を語るという栄誉に、心を動かされている」と声明を発表した。
ガザ地区では依然、イスラエル軍による攻撃が続けられており、ガザ地区の保健当局が6月1日に発表した内容によれば、過去24時間で約100人のパレスチナ人が殺害されたという。(了)
出典元:The Guardian:Benjamin Netanyahu insists on Hamas ‘destruction’ as part of plan to end Gaza war(6/1)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Israeli drone ‘shot down’ over Lebanon(6/1)