フランスの選挙戦が大荒れ、候補者など50人以上が身体的な暴力を受ける
フランスでは、国民議会の選挙が行われているが、選挙運動中に多くの候補者などが暴力にさらされたという。
暴力により、入院する候補者も
フランスのジェラルド・ダルマナン内務大臣によれば、この選挙運動の期間中、すでに51人の候補者、補欠候補者、活動家などが身体的暴行を受けているという。
しかも身体的な暴力の一部は極めて深刻で、入院する候補者なども出たそうだ。
これらの襲撃は、極右から極左の政治活動家などにより、あらゆる立場の候補者に対して実行されたという。
この事態に対し、ガブリエル・アタル首相は選挙戦の最終日に、すべての政党に冷静さを呼び掛け、「暴力や脅迫は我々の社会にあってはならない」とSNSに投稿した。
与党と極左が候補者を1本化
フランスでは6月30日に行われた1回目の投票で、マリーヌ・ル・ペン氏が率いる極右政党「国民連合」が得票率で約30%を獲得して首位に立ち、左派連合の「新人民戦線」が2位、マクロン大統領率いる「与党連合」が3位となった。
その後、「国民連合」と対決するために、「与党連合」と「新人民戦線」から200人以上が立候補を辞退し、候補者を1本化したという。
その結果、定数が577議席のうち、2人の候補者で争う選挙区が、400を超えたとも言われている。
そして今月7日には決選投票が行われるが、約3万人の警官がフランス全土に配備され、パリとその周辺地域には5000人が配備される予定となっている。
しかし7日の夜には、すでに議会前で抗議デモが行われることが予想されており、内務大臣は抗議活動を禁止するよう、パリ警察署長に要請したという。
極右の「国民連合」は、議会で289議席の絶対多数を獲得して、新たな政権を樹立できると自信を見せているが、調査会社「イプソス」の世論調査では、「国民連合」は175から205議席にとどまると予測されている。(了)
出典元:The Guardian:French PM urges calm after assaults in run-up to second round vote(7/5)