「ハマス」が予定通り人質の解放を行うと発表、停戦を維持
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パレスチナ武装組織「ハマス」は2月13日、予定通り人質を解放すると明らかにし、ガザ地区での停戦が維持されることになった。
仲介者との話し合いで停戦維持
イスラエル側はこれまで、何度も停戦違反を繰り返し、協定で約束された支援物資や医療用品、重機、テントなどのガザ地区への搬入を妨害、また停戦発効後にも25人のパレスチナ人を殺害してきた。
このため「ハマス」側は、イスラエルに停戦協定を守るよう求め、一時人質の解放を延期すると発表。しかし13日には、停戦協定に基づき、予定通り15日に人質を解放すると述べた。
「ハマス」は、代表団がエジプトやカタールの仲介者と協議し、特に停戦協定の条件である人々の住居の確保やプレハブ住宅(キャラバン)、テント、重機、医療用品、燃料、救援物資の継続的な供給、協定に規定されている全てのものについて話し合われたとし、声明で次のように述べた。
「協議は前向きな精神で行われ、エジプトとカタールの仲介者は、障害を取り除き、溝を埋めるためにこれらすべてに対し、必要な対応や継続的な支援を行うと確認した。従ってハマスは、指定されたスケジュールに従った人質の交換を含め、署名された内容に従って協定を実施するという立場を継続することを確認する」
トランプ氏の発言が状況を複雑に
「ハマス」の幹部、Basem Naim氏は「アルジャジーラ」に対し、仲介者が停戦の第2段階へのイスラエルの関与を確約したとし、同時に「イスラエルが停戦協定の履行に真剣さを示せば、我々は依然として合意にコミットしており、遵守する用意がある」と述べた。
その上でNaim氏は、今後、ガザ地区に多くのテントやキャラバン、重機が搬入されるとの見方を示した。
しかし同時に、トランプ大統領の「ガザを所有し、パレスチナ人を強制移住させる」との発言が、状況を複雑化させていると指摘。「(トランプ氏の発言は)この地域の安全、安定、繁栄のためではなく、200万人のパレスチナ人を強制的に追放することで、この地域の緊張と混乱をさらに高めるものだ。これは不道徳で、人道に対する罪であり、民族浄化である」と述べたという。
もともとイスラエルのネタニヤフ首相は、停戦協定の第2段階への移行には後ろ向きで、その時、トランプ氏が「ガザを所有し、パレスチナ人を強制移住させる」と発言したことで、再びガザ地区への侵攻に前向きになっていると言われている。
実際にネタニヤフ首相の報道官は13日、「ハマス」が予定通り人質を解放すると宣言した後も、「ガザ地区にトレーラーハウスや重機が入ることはないし、そのための調整も行われていない」と述べたという。
またガザ地区中部のDeir el-Balahでは13日、停戦中にも関わらず、イスラエルの狙撃兵に撃たれ、1人のパレスチナ人が殺害された。また同じく中部のヌセイラト難民キャンプでは、不発弾で子供1人が死亡している。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel says Hamas must release three living captives on Saturday(2/13)