「ゼレンスキー氏を独裁者と呼んだかなあ？」トランプ氏の発言に世界が耳を疑う

X_@ZelenskyyUa

アメリカのトランプ大統領は2月27日、イギリスのスターマー首相と会談し、その前に記者からの質問に答えた。

「鉱物資源の合意は防御策になる」

その会見の冒頭、トランプ氏は、28日にウクライナのゼレンスキー大統領と鉱物資源の権益をめぐって会談することについて、次のように述べた。

「両国にとって非常に重要な合意に署名する。合意は防御策になる。われわれ（アメリカ人）の多くの人が行って働くところで、誰もおかしなことをしようとするとは思わない」と述べた。

その上で、合意によりアメリカの関与が深まることで、ロシアの行動を思いとどまらせ、ウクライナの安全の保証につながるという考えを示した。

ロシアに奪われた土地の返還に努力する

またトランプ氏は以前、ウクライナが和平協定で侵攻前の国境を取り戻すのは、非現実的だと述べていた。

しかしこの日の記者会見では、ロシアに奪われた土地の返還に「努力する」とし、「彼らは陸上で長く激しく戦った。われわれはできる限りのもの（土地など）を返還するよう努力するつもりだ」と語ったという。

ただウクライナのNATO加盟については、「それは実現しないだろう」との見方を示した。

「言ったなんて信じられない」

また記者から、ゼレンスキー大統領を「選挙のない独裁者」と呼んだが、今もそう思っているかと問われ、トランプ氏は「私がそんなことを言ったのか？そんなことを言ったなんて信じられない」とはぐらかしたという。

Pressed on whether he still believes Pres. Zelenskyy is a dictator, Pres. Trump appeared to backtrack, saying: “Did I say that? I can’t believe I said that.”

On Feb. 19, Trump called Zelenskyy “a dictator without elections” in a social media post. https://t.co/m0raecmAiJ pic.twitter.com/Y1Qo7ATb06

— ABC News (@ABC) February 27, 2025

さらに会談後の共同会見では、記者から「独裁者」と呼んだことについて、ゼレンスキー氏に直接謝罪するかと問われたが、トランプ氏は「謝罪しない」と否定。その上で次のように述べた。

「明日（28日）は非常に良い会談になると思う。我々はとてもうまくやっていけるだろう。いいか？我々はとても尊敬している。私は彼（ゼレンスキー大統領）をとても尊敬している。我々は彼にたくさんの装備とたくさんのお金を与えたが、彼らは、誰が考えても、とても勇敢に戦った」

スターマー首相が訂正

トランプ氏は今回の記者会見でも、すでにイギリスやヨーロッパが、ウクライナに支援した金額の一部を取り戻していると虚偽の主張を展開。

しかし隣にいたイギリスのスターマー首相は、すぐに訂正し、次のように答えた。

「我々は自分たちの資金の全てを取り戻しているわけではありません。我々の資金のかなりの部分は、実際には贈与されたものです」

U.K. Prime Minister Keir Starmer refuted President Trump’s claim that European nations “get their money back” from Ukraine, saying funding delivery to the country “mainly was gifted, actually.” https://t.co/4kgxYqPN07 pic.twitter.com/gVc1aORaXV

— ABC News (@ABC) February 27, 2025