Switch news

知っておきたい世界のニュース

米連邦最高裁、トランプ政権に対し、移民の強制送還を停止するよう命令

米連邦最高裁、トランプ政権に対し、移民の強制送還を停止するよう命令
flickr_Anthony Quintano

現在、トランプ政権は「敵性外国人法」に基づき、多くの移民を国外へ強制送還しているが、アメリカの連邦最高裁判所は、この送還を停止するよう命じた。

 

適正な手続きを経ずに強制送還

 

トランプ政権は「敵性外国人法」に基づき、ベネズエラなどからの多くの移民を拘束し、移民収容施設に収容しては、国外へ強制送還してきた。

 

しかしこの強制送還は、強引かつ不当で、裁判などの適正な手続きを経ずに行われており、先日も裁判所から保護措置が与えられていた移民の男性が、誤ってエルサルバドルの刑務所へ強制送還される事態となっている。

 

連邦最高裁判所は、「敵性外国人法」に基づく一部の強制送還を認めているものの、拘束された人々が法廷で主張を述べる機会と、決定に異議を申し立てるための「相当な時間」が与えられる場合にのみ、強制送還を進めることができるとの判決を下していた。

 

連邦最高裁が強制送還の停止を命令

 

しかしアメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士は4月18日、緊急に裁判所へ書類を提出し、テキサス州の移民関税執行局(ICE)のブルーボネット拘置所に収容されている数十人のベネズエラ人が、強制送還されそうになっていると警告した。

 

このため連邦最高裁判所は19日の早朝、トランプ政権に対し、「政府は、本裁判所の新たな命令があるまで、これらの被収容者を米国から強制送還してはならない」と命じた。

 

アメリカ自由人権協会によれば、テキサス州の移民関税執行局は、収容されているベネズエラ人男性らをギャング「トレン・デ・アラグア」のメンバーであると主張し、国外追放の対象にしているという。

 

しかしアメリカ自由人権協会は既に、テキサス州の収容施設にいるベネズエラ人2名の強制送還を阻止するために訴訟を起こし、同地域における移民の強制送還を禁止する命令を判事に求めてきたそうだ。

 

実はすでにコロラド州やニューヨーク州、テキサス州南部の連邦判事も、政府が被収容者に法廷での請求手続きを提供するまでは、「敵性外国人法」に基づく強制送還を禁止する命令を出しているという。

 

ただテキサス州最北端に位置する町、ブルーボネットを含む地域では、そのような命令は発令されていない。

 

今回の連邦最高裁判所の命令により、強制送還が一時停止になるとみられているが、トランプ政権は、誤送還された男性の帰国に努力するよう求める最高裁の命令も、事実上無視している。(了)

 

出典元:The Guardian:US supreme court orders temporary halt to deportations of Venezuelan men(4/18)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top