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トランプ氏のイラン攻撃を阻止するため、共和党の議員らが戦争権限案を提出

トランプ氏のイラン攻撃を阻止するため、共和党の議員らが戦争権限案を提出
X_U.S. House Updates

議会の承認なしに大統領がアメリカ軍を紛争に介入させないようにする決議案が、アメリカ連邦議会の下院に提出された。

 

攻撃前に、議会の採決が必要となる決議案

 

共和党のトーマス・マシー下院議員は6月17日、複数の民主党議員と共に、トランプ大統領がイランを攻撃する前に、議会の採決が必要となる戦争権限決議案を下院に提出した。

 

すでに民主党のティム・ケイン議員も、同様の決議案を上院に提出している。

 

マシー下院議員は法案を発表する際、SNSの「X」に「これ(イランとの戦い)は我々の戦争ではない。しかし、もしそうだとすれば、議会は憲法に従ってそのような問題を決定しなければならない」と投稿した。

 

この投稿には、民主党のイルハン・オマル下院議員や、オカシオ=コルテス下院議員が、「賛同」するメッセージを寄せた。

 

またその後、マシー議員の事務所は、進歩派議員連盟(Progressive Caucus)のグレッグ・カサール議長(民主党)を含む複数の議員も、この決議案の提案者になると発表した。

 

戦争に関与しないと公約に掲げる

 

トランプ大統領はカナダで開かれたG7サミットを早めに切り上げ、16日にはワシントンD.C.に戻り、イランに「無条件降伏」を要求。この決議案は、その数時間後に提出されたという。

 

トランプ氏の投稿は議会でも議論を呼び、ホワイトハウスはその後、アメリカが紛争への介入を決定したとの報道を否定。アレックス・ファイファー報道官は「アメリカ軍は防衛態勢を維持しており、それは変わっていない。我々はアメリカの利益を守る」と述べた。

 

しかしすでにアメリカ軍の航空機と艦船が中東に展開しており、イランの地下深くにある核施設は、アメリカ軍のみが保有する「バンカーバスター」によってのみ破壊可能と考えられている。

 

トランプ大統領は、アメリカを外国の戦争に巻き込ませないことを公約に掲げており、先週末、J・D・バンス副大統領もワシントンD.C.で行われた軍事パレードで、兵士たちに次のように語った。

 

「我々は、絶対に必要な場合を除き、あなた方に戦争をするよう求めることは決してない」

 

トランプ氏は最初の1期目の時に、イランとイエメンに関する2つの戦争権限決議に拒否権を発動した。しかし今回、マシー下院議員と共に法案を提出した民主党のロー・カーナ下院議員はインタビューで、もし拒否権を発動すれば「共和党支持層を激怒させることになる」と述べた。

 

共和党右派の議員も戦争関与に反対

 

連邦議会下院では、共和党がわずか3議席で過半数を占めており、この決議案を「本会議に持ち込めば可決される」との見方を、カーナ下院議員は示した。

 

しかも熱烈なトランプ支持者である共和党右派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員も、イラン空爆作戦へのアメリカの関与に反対を唱えており、インタビューで次のように語った。

 

「私はアメリカの外国との戦争への関与やレジームチェンジ(体制転覆)には反対ですが、イランを攻撃していない以上、マシー下院議員の戦争権限決議にはまだ署名する必要はないと思います。トランプ大統領が選挙公約を果たし、イスラエルとイランとの間のこの危険な紛争を、戦争のない平和へと転換してくれると信じています。状況が変われば、私も署名するかもしれません。どうなるか見守りたいと思います」(了)

 

出典元:The Guardian:Brad Lander, New York City comptroller and mayoral candidate, not charged following arrest at immigration court(6/18)

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