国連安保理の14カ国、ガザ地区での3つの緊急行動を要請

国連安全保障理事会の加盟国は8月27日、ガザ地区での3つの緊急行動を要請し、その内容を発表した。
停戦、人道支援の拡大、軍事作戦の撤回
安全保障理事会加盟国の15カ国のうち、アメリカを除く14カ国は27日、共同声明を発表し、ガザ地区で飢饉が続く中、3つの緊急行動を要請した。
その1つは、即時、無条件、かつ恒久的な停戦を実現させること。また「ハマス」やその他のグループに拘束されている、全ての人質の即時、かつ無条件の解放を求めた。
2つ目は、ガザ地区全域への人道支援の拡大だ。その上で、イスラエルに対し、人道支援物資の輸送に関するすべての制限を即時、無条件に解除するよう要求した。
すべての陸路を開通させ、国連と人道支援パートナーが安全かつ大規模に活動できるよう求めた。
3つ目は、イスラエルによる、ガザ地区での軍事作戦拡大の撤回だ。ガザ市の制圧を含む、軍事作戦をさらに拡大するという決定を即時撤回するよう、イスラエル側に求めた。
また安全保障理事会加盟国、14カ国はガザ地区での飢饉を「人為的な危機」と呼び、飢餓を戦争の兵器として用いることは、国際人道法で明確に禁じられていると指摘した。
All members of the UN Security Council, except the US, jointly backed the IPC’s declaration on Wednesday that famine in Gaza is a ‘man-made crisis,’ despite Israel and the US condemning the findings. pic.twitter.com/BJilAJ9Awt
— Al Jazeera English (@AJEnglish) August 27, 2025
そのガザ地区では8月27日も、イスラエル軍により51人のパレスチナ人が殺害されたという。
またガザ地区の保健当局は27日、過去24時間で、「飢餓と栄養失調」により、子供2人を含む10人が死亡したと明らかにした。
シリア南部の旧軍施設を攻撃
一方、イスラエル軍は8月27日、シリアの首都・ダマスカス南西の町、キスワにある旧軍兵舎に対し、一連の攻撃を実施したそうだ。
イスラエル軍は4機のヘリコプターを用いて、兵士がキスワの軍兵舎に降下。2時間以上滞在したが、シリア軍との交戦はなかったと言われている。
ただイスラエル軍は8月26日にも、キスワを攻撃しており、その際には6人のシリア軍の兵士が殺害されたという。
元英首相や娘婿とホワイトハウスで会合
アメリカのトランプ大統領は8月27日、イギリスの元首相、トニー・ブレア氏や、娘婿のジャレッド・クシュナー前中東担当特使(ユダヤ人)を含む政府高官らと、ガザ紛争後の対応策に関する会合を開いた。
トランプ氏は先日、今後2~3週間以内にガザ地区での紛争が「最終的に終結する」と発言していた。
しかし今回の会合で、具体的に何が話し合われたのか、結果がどうなったのかについては、まだ詳細は明らかにされていない。
イスラエルのメディアによれば、ネタニヤフ首相の首席顧問兼戦略問題担当大臣のロン・ダーマー氏が、ワシントンD.C.でアメリカの当局者と会談したという。ただ、ホワイトハウスでの会合に出席したかどうかは、明らかにされていない。
またイスラエルのギデオン・サール外相も、ワシントンD.C.に滞在しているが、会合へは出席していないそうだ。(了)
Pope Leo XIV has called on Israel to end the ‘terror, destruction and death’ in Gaza. In his weekly address, he backed church leaders in Jerusalem who condemned Israel’s order to evacuate Gaza City, warning it would endanger vulnerable civilians. pic.twitter.com/rZrJFdNbEB
— Al Jazeera English (@AJEnglish) August 27, 2025
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel kills 51 in Gaza, 10 more Palestinians starve to death(8/27)