トランプ氏、ウクライナにロシアの停戦条件を飲むよう要求

10月17日、アメリカのトランプ大統領と、ウクライナのゼレンスキー大統領がホワイトハウスで会談を行ったが、その内容の一部が関係者によって明らかにされた。
現在の戦線で停戦
ウクライナ側は、ロシア軍に占領された地域の奪還を目指しているが、この会談でトランプ大統領は、現在の戦線での停戦を公式に呼びかけた。
つまりこのことは、現在ロシア軍に占領されている地域を諦めるよう、ウクライナ側に求めた形になる。
またトランプ大統領は会談で、ウクライナへの「トマホーク」ミサイルの提供を拒否。さらに停戦交渉でロシアの条件を飲むよう、ゼレンスキー大統領に迫ったという。
東部と南部の領土交換
ワシントン・ポスト紙によると、トランプ氏との電話会談でプーチン大統領は、ウクライナが東部のドネツク州とルハンスク州の一部を割譲する代わりに、ロシアが南部のザポリージャ州とヘルソン州の一部を提供するという領土交換を提案したという。
そしてアメリカの政府関係者は、17日の会談で、ウクライナ側にこの提案を飲むよう、迫ったそうだ。
しかしある政府関係者の1人によると、ウクライナは依然としてドネツク州とルハンスク州の一部に大きな戦略的価値を見出しており、これらの地域を放棄すれば、ウクライナの残りの地域が、ロシアの攻撃に対してより脆弱になると考えているという。
またその関係者は、ドネツク州西部とルハンスク州西部の放棄は、「自殺行為」に等しいと主張しているそうだ。
さらに会談では、トランプ氏がウクライナ側に暴言を吐いたと言われ、ある関係者は「かなりひどい会談だった」とし、「ウクライナがロシアと合意しなければ、『あなたの国は凍りつき、あなたの国は滅びる』というメッセージだった」との見方を示した。
そして2人の関係者は、プーチン大統領との電話会談にトランプ大統領が影響を受けたという印象を持った、と述べている。(了)
出典元:Reuters:Trump urged Ukraine’s Zelenskiy to make concessions to Russia in tense meeting, sources say(10/20)