香港の議員追放で、米政府が中国高官らに新たな制裁を準備
アメリカ政府が、中国の複数の当局者に対して新たな制裁を科す準備を整えていると、メディアが伝えている。
主に中国共産党のメンバーをターゲットに
ロイターによれば、アメリカ政府は香港の立法会議員の資格剥奪に役割を果たした、少なくとも十数人の中国当局者に対して、新たな制裁を準備しているという。
この情報は、この問題に詳しいアメリカ政府の高官を含む、3つの消息筋からもたらされたとしている。
この動きは12月7日になって現れ、主に中国共産党のメンバーをターゲットにしているそうだ。もっとも現時点で、ホワイトハウスや国務省はコメントをしていない。
資産凍結や金融上の制裁を科す可能性
2つの情報筋によれば、中国全国人民代表大会のメンバー、または中国共産党の党員などを含む、少なくとも14人が資産凍結や金融取引上の制裁のターゲットにされているという。
またこの問題に詳しい人物は、制裁を科されるグループには中国本土の人間と同様に、香港の当局者も含まれる可能性があると述べている。
しかし現時点で、制裁の対象となる人物とその役職などは分かっていない。
香港政府は先月、立法会(議会)の4人の民主派議員の資格を剥奪、追放。これに反発し、多くの民主派の議員らが一斉に辞職する事態となった。
この追放は中国議会が、香港政府に対し、批判を抑制するための強い権限を与えたことがきっかけだとされている。
米政府が科してきた制裁
アメリカ政府は、8月に香港特別行政区長官のキャリー・ラム氏や、現在および元の警察署長、その他の高官らが、民主化運動の取り締まりにおける自由を抑制する役割を果たしたとして、彼らに制裁を加えたという。
また11月、米国務省と財務省は、香港の政府と治安機関の4人の中国当局者に制裁を課し、米国への旅行を禁止、米国関連の資産をブロックした。
中国政府は以前、香港に関連するアメリカ政府の制裁を非難し、それを中国への内政干渉と呼んでいたそうだ。
Taiwan Newsによれば、香港はバイデン氏の中国に対する最も厄介な課題の1つであると予想されているという。
またバイデン氏は、中国や他の国々での人権についてトランプ大統領よりも厳しい方針を取ることを約束しており、香港での取締りに対する彼の対応が、今後の政策を見定める最初の機会になるだろう、としている。(了)
出典元:Reuters:Exclusive: U.S. preparing new sanctions on Chinese officials over Hong Kong crackdown – sources(12/7)
出典元:Taiwan News:US preparing new sanctions on Chinese officials over Hong Kong crackdown: Reuters(12/7)