レバノンで大規模な停電が発生、燃料不足で復旧の目途立たず、600万人に影響が続く
経済危機に見舞われている中東のレバノンで、大規模な停電が発生し、人々が不自由な暮らしを強いられている。
2つの大きな発電施設が停止
レバノンの政府関係者によれば、国内のDeir AmmarとZahraniにある、2つの大きな発電施設が燃料不足のために停止されたという。
このため送電網が10月9日から完全に機能を停止してしまったそうだ。実際に国内での発電量は200メガワットを下回り、この量は5000軒分にしかならないそうだ。
しかもこの停電が数日後に復旧する可能性も低く、約600万人に影響が出ていると考えられている。ツイッターにも暗い街の様子が投稿されている。
ست الدنيا #بيروت ..تغرق في ظلام يُشبه حكامها الظلاميين pic.twitter.com/ZMKoLxwBhI
— Marwan Matni 🇱🇧 (@marwanmatni) October 9, 2021
#Lebanon goes dark after two major power plants shut down due to fuel shortage. pic.twitter.com/CAR99ZGRT6
— EHA News (@eha_news) October 9, 2021
外貨不足で燃料を購入できず
レバノンは過去18カ月に渡り、経済危機と燃料不足に苦しんできたという。
この結果、人口の半数が貧困状態に陥り(78%との指摘もある)、通貨も暴落。政府に対する抗議デモも起きているそうだ。
また外貨の不足により、海外のエネルギー供給会社への支払いも困難になっている。
#Lebanon earlier tonight : despite a total shutdown in gov's power grid, this is how #Beirut looked, lit only by private (illegal) generators. pic.twitter.com/3J6g846QuL
— Matthieu Karam (@MatthieuKaram) October 9, 2021
住民は自家用発電機でしのぐ
多くの住民は自家用のディーゼル発電機を使い、なんとか電気を作り出しているが、発電のコストも高くなっており、全国的な電力不足を補うまでには至っていない。
大規模な停電になる前にも、1日2時間だけしか電気が供給されておらず、電力会社も声明で2つの発電所で国内の40%の電力を賄っていたと語っている。
レバノンでは2020年8月にベイルートで大規模な爆発事故が起きて以来、政権は総辞職し、政治的には麻痺状態になっているという。
実際に前政権が退陣してから、1年以上も政治的な空白が生まれ、今年の9月にNajib Mikati氏が新しい首相に就任したばかりだとされている。(了)
出典元:METRO:Lebanon plunged into darkness after country runs out of electricity(10/9)
出典元:BBC:Lebanon left without power as grid shuts down(10/9)