ロシアのコロナワクチン 「スプートニク」はアストラゼネカの製法を盗んだもの:イギリス当局
ロシアの「スプートニクV COVID-19ワクチン」に盗作疑惑がかかっている。イギリスのメディアによれば、英政府のセキュリティチーム(情報機関と思われる)がその証拠を握っているそうだ。
保安局が閣僚に報告
ロシアが新型コロナワクチンの製法をアストラゼネカ社から盗み、自国のワクチン開発に利用した——イギリスのセキュリティチームが閣僚にこう報告したと報じられている。
そのセキュリティチームによれば、アストラゼネカ社から様々な重要データがロシアのスパイによって盗み出されており、その中に新型コロナウイルスワクチンの「設計図」と言えるものが含まれていたとのこと。セキュリティチームは盗みの証拠を握っているそうだが、具体的のどのような証拠かは明らかでない。
ロシアが独自に開発したとされるワクチン「スプートニクV」には、アストラゼネカ製ワクチンと似た技術が用いられているため、セキュリティチームは、ロシアが盗んだ「設計図」を利用したと見ている。
スパイ行為への警戒感が高まる
メディアによれば、昨年も複数のスパイ行為が明らかになっており、ロシア・プーチン政権が陰で糸を引いていると考えられているらしい。
今回のワクチン「設計図」はスパイが直接盗んだらしいが、昨年はイギリス、アメリカ、カナダでワクチン開発を進める研究機関がハッキング攻撃にあい、ロシアが国家ぐるみでこうしたハッカーたちを援助していたことは「95%以上確かなこと」、とセキュリティチームは言っている。
当時、内務省で国家保安を担当していたJames Brokenshire氏は、「こういったこと(ロシアによるハッキング)を声高に公表するのは慎重を期す必要があり、そうであるという確信がなければできないことだが、今回はその確信がある」と発言した。
また、スプートニクVの盗作疑惑が報じられた10月10日、Brokenshire氏の後任者であるDamian Hinds氏は「私たちは、国家が経済的・産業的なスパイ行為に関わろうとするような世界に生きているのだ」とコメントした。
一方、スプートニクVの取り扱い・販売を行うロシアの「Russian Direct Investment Fund」は、盗作疑惑を真っ向から否定し、次のような声明を発表した。
「ロシアのスプートニクVが、オックスフォード大学/アストラゼネカ社のワクチン研究に基づいているという疑いがイギリスメディアで報じられているが、これはフェイクニュースの1つであり、根拠不明な、あからさまな嘘である」
今回の報道はタブロイド紙が発表したもので、ロシアの外務大臣なども疑惑を強く否定しているが、果たして真相はどうなのだろうか?(了)
出典元:The Sun:Russian spies ‘stole formula for Oxford/Astra Zeneca Covid jab and used it to create Sputnik vaccine’(10/10)
出典元:Fortune:Russia furiously denies stealing AstraZeneca ‘blueprint’ to make Sputnik V COVID-19 vaccine(10/12)