「ウクライナとの戦争はまだ始まったばかり」ロシアのプーチン大統領が警告
ロシアのプーチン大統領は7月7日、ロシア議会の指導者たちに対して演説し、意外な発言を行った。
「まだ本格的に何も始めていない」
プーチン大統領は演説において「ロシアはウクライナで、(戦争を)始めたばかりで、まだ本格的に何も始めていない。そのことを誰もが知るべきだ」と述べたという。
さらにロシア側は和平交渉を拒否していないとし、紛争が長引けば長引くほど、和平交渉の見通しは暗くなるとの見方を示した。
しかも、西側諸国が戦場でロシアを打ち負かしたいのであれば、そのことを歓迎するとした上で、次のように述べたそうだ。
「今日、我々は彼ら(西側諸国)が戦場で我々を倒したいと言っているのを聞いた。どう考えるか、彼らにやらせてみればいいじゃないか。西側は最後のウクライナ人に至るまで、我々と戦いたいのだと何度も聞いている。これはウクライナ人にとって悲劇である。しかし全てが、この方向へ向かっているように見える」
クラマトルスクにミサイル攻撃
またウクライナの各地では、ロシア軍による攻撃で犠牲者が出ている。
ウクライナ北東部の都市ハルキウでは、ロシア軍がロケット弾を発射し、3人が死亡、5人が負傷したと、Oleh Synyehubov州知事が明らかにした。
ウクライナ南東部・ドネツク州のPavlo Kyrylenko知事によると、クラマトルスクへのロシア軍のミサイル攻撃が住宅地を直撃し、少なくとも1人が死亡、6人が負傷したという。
Kyrylenko知事は「これは市民に対する意図的な攻撃だ。ロシアを阻止するまで、これは止まらないだろう」と述べている。
同じくドネツク州の都市で、クラマトルスクに近いスロビャンスクでも、ロシア軍による砲撃が行われたそうだ。
スロビャンスクのVadym Lyakh市長は、一部の住民が負傷したと述べたが、詳細は明らかにしていない。
ウクライナ軍も、スロビャンスク市とその近くの人口密集地に対する激しい砲撃で、ロシア軍による圧力が強まっているとの見方を示している。
ロシア軍が穀物畑に放火か?
ウクライナのメディア「Euromaidan Press」によると、ウクライナの穀物畑がロシア軍によって放火されたという。
ウクライナ軍の軍人、イホル・ルセンコ氏は「炎は時に5メートルの高さに達し、幅数百メートルの帯状になる。黒い煙が舞い上がり、何キロにもわたって空に広がる 」と語っている。
ルセンコ氏によれば、乾燥した穀物の茎は、焼夷弾によって「マッチのように」燃え上がるという。
Russians purposefully burn Ukrainian grain
The dry stalks go up in fire “like matches” from incendiary munitions
The fire advances like a wall, as a single front; sometimes it reaches 5 m in height, 100’s of meters in length.
📷 Serviceman Ihor Lutsenko https://t.co/o4XQNLpCd2 pic.twitter.com/oxuqhPi697— Euromaidan Press (@EuromaidanPress) July 7, 2022
南部戦線で西側の兵器が威力を発揮
その一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、テレビ演説において、ウクライナ軍がロシアとの戦いの最前線で、ついに西側兵器の威力を目の当たりにしている、と述べた。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が南部戦線のヘルソン地方とザポリージャ地方で2方向に前進し、ロシアの物流倉庫のいくつかを攻撃して打撃を与えている、と語ったという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Putin says Russia just getting started in Ukraine and calls on west to meet on battlefield – live(7/7)