ドイツ国防相、ウクライナに「レオパルト2」を供与するか決断を下さず
1月20日、ドイツのラムシュタイン米空軍基地で、国防相会議が開かれたが、その中でドイツの新しい国防相は戦車の供与について決断することを拒否した。
再輸出の許可についても決断せず
この会議では50カ国の国防相が出席し、ウクライナにドイツ製の戦車「レオパルト2」を供与するかどうかが、話し合われた。
またヨーロッパやアメリカは、ポーランドやフィンランドなどの国が所有する「レオパルト2」の再輸出について、ドイツが許可することを期待していたという。
しかしドイツの新しい国防相であるボリス・ピストリウス氏は、この会議で「レオパルト2」の供与について決断を下さず、ただ「利用可能な戦車の在庫を調査するよう、国防省に依頼した」とだけ語ったそうだ。
そして「レオパルト2」に関しては進展のないまま会議は終了した。
「ドイツのせいでウクライナ人の命が失われる」
ポーランドのラウ外相は、「ドイツが行動を起こすことを嫌がっているため、ウクライナ人の命が失われるだろう」と非難。次のようにツイートした。
「ロシアの侵略を撃退するためにウクライナを武装させることは、ある種の意思決定作業ではない。ウクライナの血が実際に流されているのだ。レオパルトの供与をためらったツケが回ってきたのだ。今すぐ行動を起こす必要がある」
アメリカのロイド・オースティン国防長官は会談後、「ウクライナに追加装備を提供するためには、もはやそんなに長い時間はない。現在から春までの間の機会しかない」と述べた。
アメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長も「今年、ロシア軍をウクライナの隅々まで軍事的に追い出すことは非常に難しいだろう。前線を安定させる防衛の継続は可能だろうが、それはウクライナへの軍事装備の納入と訓練次第である」と記者団に語った。
「レオパルト連合」の会合も開催
ポーランド政府は、ドイツの許可なく「レオパルト2」をウクライナに供与すると述べていたが、このテーマを進展させるため、今回の会議後に15カ国の国防相の会合に参加したという。
この15カ国は自国が保有する「レオパルト2」をウクライナへ供与するために連携しようとしており、ポーランドのBlaszczak国防相は「この連合体構築が成功に終わると確信している」と述べたそうだ。
一方、ドイツ政府の報道官は、ポーランドがドイツから必要な輸出許可を得ることなく、一方的にウクライナに「レオパルト2」を供与するという脅しを実行するとは思っていないと発言。
「すべてのパートナーは、法律を遵守して行動することを望むに違いない」と述べたという。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine frustrated as Germany holds back decision on supply of tanks(1/20)