米が31両の「エイブラムス」をウクライナへ、独も「レオパルト2」を14両供与
ドイツ政府がウクライナへ戦車を供与することを決定したのに続き、アメリカ政府も自国の主力戦車を送ることを承認した。
ゼレンスキー大統領も歓迎
ドイツ政府は1月25日、ウクライナへ「レオパルト2 A6」を14両供与することを決定し、またパートナー国が保有する「レオパルト2」を引き渡すことも許可した。
これに続き、アメリカのジョー・バイデン大統領も25日、ウクライナへ主力戦車の「M1エイブラムス」を31両送ることを承認したという。
バイデン大統領はホワイトハウスでの記者会見で、次のように述べている。
「プーチンは、ヨーロッパとアメリカが我々の決意を弱めることを期待していた。彼は、ウクライナに対する我々の支援が、時間とともに崩れることを予期していた。彼は間違っていた。彼は最初から間違っていたし、今も間違い続けている」
またウクライナのゼレンスキー大統領も、「エイブラムス」の提供を約束したバイデン大統領の決断を称賛。Twitterでも「自由な世界はかつてないほど団結している」と述べた。
アメリカの約束が条件だった?
この発表に先立ち、バイデン大統領はフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、イタリアのメローニ首相、イギリスのスナク首相と電話で会談していたという。
また一部のメディアの報道によると、ドイツの当局者は「レオパルト2」の供与について、アメリカが同様の約束(戦車の供与)をすることを条件としていたことを明らかにしていたという。
しかしこのことに関し、ドイツ政府は否定している。
ドイツのショルツ首相は、「レオパルト2」14両と弾薬、後方支援、メンテナンス支援を提供することを確認し、声明で次のように述べた。
「この決定は、我々の能力を最大限に発揮してウクライナを支援するという、よく知られた路線に沿ったものだ。我々は国際的に密接に連携して行動している」
ノルウェーも戦車供与を表明
今回、ドイツは他の国がウクライナへ「レオパルト2」を引き渡すことも承認したが、すでにポーランドはその承認を求めていた。
また今回の決断を受け、ノルウェーもウクライナに「レオパルト2」を送ることを発表。ノルウェーのアリルドグラム国防相は、公共テレビのインタビューで、「ノルウェー(国民)と政府は、ウクライナへの戦車供与を支持している。ノルウェーは参加する」と述べたそうだ。しかし台数に関しては明言していない。
一方、ロシアのペスコフ報道官は、このようなアメリカとドイツの連携を非難。これらの戦車がウクライナ軍に加わることを「明らかに過大評価している」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:US joins Germany in sending tanks to Ukraine as Biden hails ‘united’ effort(1/25)