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トロント市長選に立候補したワンコ、しっかりとした公約を掲げて593票を獲得!

トロント市長選に立候補したワンコ、しっかりとした公約を掲げて593票を獲得!
corporateknight/Twitter

カナダの最大都市トロントで、26日に行われた市長選。過去最多の102件の立候補があったのだが、結局は最も有力視されていたベテラン女性政治家のオリビア・チャウ氏が当選し、同市で初めての女性市長、そしてアジア系市長が誕生した。

 

102件の立候補の中には、犬のモーリーの姿もあったのだが、彼はどのように選挙戦を戦ったのだろうか。

 

犬&飼い主の正体

 

トロント在住のモーリーは、彼の代弁者であるトビー・ヒープス氏とともに出馬。モーリーは、飼い主である女性を病気で失った後、その息子のヒープス氏とともに2年間を過ごしてきた。ヒープス氏は、メディアリサーチ会社であるCorporate Knightsを創業した実業家でもある。

 

政治家としての経験はないが、彼が出馬表明時に公開した動画によると、ラルフ・ネダー氏がアメリカの大統領に立候補した際には選挙活動をマネジメントしたり、イングランド王であるリチャード3世にサステナブルに関する助言を行ったりしてきたとのこと。

 

 

上記の動画では、自身を「underdog candidate」としている。Underdogとは、「勝ち目のない」という意味。つまり自らを「勝ち目のない候補者=泡沫候補」と表現している。

 

しっかりとした公約を掲げていた

 

モーリーはヒープス氏と過ごした2年間で、冬の雪対策で巻かれる塩が自身の肉球を痛めており、環境にも悪いことに気付いたという。さらには いつも散歩で訪れているオンタリオ・プレイスがフェンスで囲われてしまったこともあり、市を変えることを決意。ヒープス氏もモーリーのサポートをすることに決めたそうだ。

 

オンタリオ・プレイスは広大な水辺の公園で、季節ごとに様々なアクティビティやイベントが楽しめる。観光客だけではなくトロント市民にとっても大切な場所だ。閉鎖された場所は、プライベート・スパやウォーターパークになると発表されており、今回の市長選でも論戦の的となっていた。

 

ヒープス氏自身も緑にあふれた市にしたいと考えており、公園管理の予算を2倍にすることを公約に掲げている。その中には、ホームレスのための9000人分の自立支援付きのシェルターも含まれているとのこと。さらに、低所得者向けの家は、毎年250軒ほど建てられているが全く需要に追いついておらず、それを25,000軒にしたいとも考えているそうだ。こうした事業を、巨大企業への増税で賄いたいとしていた。

 

カナダ市長選の結果は

 

選挙戦当日、残念ながら投票用紙にモーリーの名前はなく、ヒープス氏は仕方なく自分自身に投票したそうだ。

 

 

トビー・ヒープス氏は、モーリーの代わりに593票を獲得。残念ながら落選となったものの、102人の立候補者の中で、得票数は第19位と健闘した。

 

モーリー市長が誕生していたら、きっと人類史上最もヒトを裏切らない市長となっていたかもしれない。(了)

 

参考:CTV News Tronto「Part of Ontario Place quietly shut down ahead of redevelopment plans as province says it won’t let new mayor stand in the way」(6/6)

参考:CP24「Olivia Chow is Toronto’s new mayor. What about the 101 other candidates?」(6/26)

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