スロバキアの選挙で、親ロ派の政党が第1党へ、「ウクライナを支援しない」と明言
10月1日、スロバキアで総選挙が行われ、親ロシアの立場を表明した政党が勝利し、第一党となった。
ウクライナへの軍事援助停止が公約
今回の総選挙で勝利したのは、ポピュリスト政党「道標・社会民主主義」(SMER-SSD)だ。彼らは約24%の得票を得て、第1党になった。
第2党になったのは、中道リベラル派の「プログレッシブ・スロバキア」(PS、17%)、第3党は親ヨーロッパ派の「声・社会民主主義」(Hlas、15%)だったという。
「道標・社会民主主義」の党首であるロベルト・フィツォ元首相は、ウクライナへの軍事援助を打ち切るという公約を掲げて選挙戦を戦った。
そして今回の選挙で勝利し、スロバキアの新首相になると考えられている。
ただし単独で政権を担うことはできず、フィツォ元首相は今後、他党との連立交渉を開始することになるという。
ただ選挙勝利後も、フィツォ元首相は「ウクライナに支援を行わないとする自分の立場には、変わりがない」と述べている。
「影響の判断は時期尚早」
ウクライナの反応だが、ドミトロ・クレバ外相は10月2日、首都キーウでのEU外相会議の前に、次のように述べた。
「ウクライナは、スロバキアの人々の選択を尊重する。今回の選挙が、ウクライナへのサポートにどう影響するかを判断するのは、時期尚早だと思う。連立政権が成立するまで待つ必要がある」
またウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカ議会で可決された「みなし(暫定)予算」にウクライナ支援が含まれていないことを受けて、EU外相会議の場で「ロシアとの戦争におけるウクライナの勝利は、EUとの協力にかかっている」と訴えた。
南部へルソン州でロシア軍の攻撃
ウクライナではロシア軍の攻撃が続いており、10月2日にも南部のへルソン州で少なくとも2人が死亡、子ども2人と警察官1人を含む10人以上が負傷したという。
この日のロシア軍の攻撃は、24時間で71回も行われ、ウクライナの住宅地や商店、医療インフラなども攻撃対象になったそうだ。
ロシア軍は空や陸から攻撃を行い、そのうち20回分の攻撃は、州の中心地であるヘルソン市を狙ったという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Ukrainian victory depends on cooperation with Europe, Zelenskiy tells EU foreign ministers in Kyiv – as it happened(10/2)
出典元:BBC:スロヴァキア総選挙、ウクライナ支援に反対の政党が勝利 連立交渉へ(10/2)