NASAが計画する月を回る新たな宇宙ステーション、来年から開発に着手
NASAが、月の周囲を回る宇宙ステーションの建設を計画しているのをご存知だろうか。
そして今回、この計画の新たなタイムラインが発表され、注目されている。
2019年に推進装置の開発に着手
この宇宙ステーションは「Lunar Orbital Platform-Gateway(月軌道プラットフォーム・ゲートウェイ)」と呼ばれ、月面を研究するのを助ける中継基地や、火星へ向かう宇宙飛行士の前哨基地になるという。
NASAはこれを2025年までに月の周回軌道に乗せる予定とし、2022年には実際に宇宙ステーションの打ち上げや建設を始めると明らかにしてきた。
そして今週、NASAのWilliam Gerstenmaier氏はコロラド州で開かれた「スペース・シンポジウム」において、2019年の初めから建設のための資金を投入すると発表。動力や推進装置開発に着手する見込みだ。
ただ居住用モジュールの開発については、次の段階だとしている。この「Gateway 」は現在の国際宇宙ステーション(ISS)のように複数回に分けてモジュールを打ち上げ、宇宙でドッキングして形作られる予定だとか。
新興国もプロジェクトへ参加か
月面基地へ人間を送り込むミッションには、Lockheed Martin社が建設中のオリオン宇宙船を経由して行われる予定で、それは1度に4人の宇宙飛行士を乗せることができるという。
そしてこの宇宙ステーションは、宇宙飛行士が30日間滞在するミッションに使われる予定とされている。
また現在あるISSと同様に、これも世界中の宇宙飛行士に門戸を開くとされ、今後はBRICS とよばれる新興国、ロシアや中国、インド、ブラジル、南アフリカなども計画に参加する可能性があるとか。
Gateway Sweet Gateway ❤️#Boeing’s Lunar Orbital Platform-Gateway concept will give astronauts a base for @NASA’s plans to go to the Moon’s 🌕 surface, operating robots 🤖 in space and performing research for Mars trips. 🚀 pic.twitter.com/xkXJLBsMJq
— Boeing Defense (@BoeingDefense) February 23, 2018
火星よりも遠くの宇宙へ人を送り込む
さらにこの宇宙ステーションは商業用のロケットが接続できる仕組みとなっており、宇宙の奥まで行ける宇宙船「Deep Space Transport」も発着できるようになっているという。
そして将来はここから火星へ、またさらに遠くの宇宙へと人類を送り込むことを予定しているそうだ。
月を周回する宇宙ステーションの開発については、今年の1月24日に日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNASAが、建設計画で協力し、月面や火星への有人探査を目指すとする共同声明に署名をしている。
月の宇宙ステーション実現への歩みがついに始まる予定だが、大きな問題もなく計画が順調に進むことを願う。(了)
出典元:Bloomberg:NASA’s Lunar Space Station Is Almost Here(4/20)
出典元:MailOnline:Nasa will have a space station that will orbit the moon in 2025 to act as an outpost for astronauts travelling to Mars(4/20)