体長が25mもある巨大な海の恐竜を特定、最大の魚竜である可能性
科学者により、イギリスで発見された化石から、巨大な海の恐竜が特定された。
シロナガスクジラとほぼ同じ長さ
その化石の1つは、2016年にイングランド南西部の町、サマセットの海岸で、化石ハンターによって発見されたという。また2020年にも、父娘によってもう1つの骨が発見されたそうだ。
それらの化石は、いずれも顎の骨で、骨の1つは1m以上、2つ目は2m以上もあったという。
その後、ブリストル大学の古生物学者、ディーン・ロマックス博士などが調査を進め、この動物全体の長さが約25m、シロナガスクジラとほぼ同じだったと推測された。
It’s been wonderful seeing the enormous amount of interest in our giant ichthyosaur, Ichthyotitan severnensis.
The bones, along with other specimens (incl’ the ‘Aust giant’), will go on display @bristolmuseum in the coming weeks. #FossilFriday
🎨 @SerpenIllus @SergeyAtrox1 pic.twitter.com/WXzIGa4vgV
— Dr Dean Lomax (@Dean_R_Lomax) April 19, 2024
最大の海洋爬虫類である可能性
もっともロマックス博士によれば、発見された化石はほんのわずかであるため、この生物の正確な大きさを確認するには、完全な頭蓋骨や骨格など、さらなる証拠が必要だという。
しかしこの海を泳いでいた生物は、バス2台分の大きさがあり、これまでで最大の海洋爬虫類の可能性があるそうだ。
この恐竜は、約2億200万年前に生息していたとされ、ジュラ紀ごろに生息していた巨大な首長竜の一種、「プリオサウルス」よりも大きいと考えられている。
Please welcome Ichthyotitan severnensis, a gigantic ichthyosaur from the latest Triassic of the UK!
The key – holotype – specimen was found in 2020 by fossil-hunting father-daughter duo Justin and Ruby Reynolds (Ruby was then 11!), who are co-authors.
https://t.co/kCQ89UyE8C pic.twitter.com/Op1TneJcqg— Dr Dean Lomax (@Dean_R_Lomax) April 17, 2024
2020年後も化石を収集
実は2016年に化石ハンターのポール・ド・ラ・サール氏が、この生物の顎の骨を発見した後、2018年には調査結果が発表されたという。
しかし2020年にも、ジャスティン・レイノルズさんと、ルビー・レイノルズさんの父娘が、同じ顎の骨を発見。その後も、研究チームや家族により、化石の収集が続けられ、最後の化石は2022年に発見されたそうだ。
これらの作業により、この生物の大きさを推定するための、さらなる証拠が得られたという。
研究者らは、この生物が魚竜の新種と考えており、「Severn(イングランドの町)の巨大な魚竜」という意味を込め、「Ichthyotitan severnensis」と名付けたそうだ。(了)
出典元:BBC:Enormous ancient sea reptile identified from amateur fossil find(4/18)