古代エジプトのファラオが複数描かれた岩、ダムの底で発見
エジプトのナイル川を調査中、考古学者により、複数のファラオ(王)などが刻まれた岩の彫刻が発見された。
第18王朝と第26王朝のファラオ
この調査を行ったのは、フランスとエジプトの合同チームで、彼らは「アスワン・ハイ・ダム」が建設された際に浸水したアスワン南部の水中で、この岩を発見したという。
その岩には、アメンホテプ3世(紀元前1390年から1352年頃統治)、トトメス4世(紀元前1400年から1390年頃統治)、プサムテク2世(紀元前595年から589年頃統治)、アプリエス(紀元前589年から570年頃統治)など、第18王朝と第26王朝の統治者の彫刻が含まれていたという。
また岩には象形文字の碑文も刻まれており、チームのメンバーは遺跡に潜り、写真やビデオ、写真測量法を使用して記録しているそうだ。
碑文の内容や岩の外観などに関しては、まだ詳細が明らかにされていないが、保存状態は良好だとされている。
ダム建設の前に遺物を移送
「アスワン・ハイ・ダム」が建設され、付近のエリアに水が満たされる前、ユネスコが主導して、この地域からできるだけ多くの考古学的遺物を記録し、移送する大規模な取り組みが行われていたという。
しかし多くの遺物は時間内に移送できず、ダム建設によって水没してしまったそうだ。
調査チームは、写真測量法により、物体の写真を何十枚も撮影し、後にその物体のデジタル3Dモデルを作成しようと試みているそうだ。
また調査チームの作業が続くにつれ、さらに多くの遺物が発見される可能性が高いと考えられている。(了)
出典元:Livescience:Rock carvings of ancient Egyptian pharaohs found underwater near Aswan(7/18)