海に沈んだローマの遺跡から、美しい大理石の床を発見
イタリアのナポリ沖の海底で、古代ローマ時代に作られた大理石の床が発見された。
ナポリ湾の海底に眠る都市
調査が行われたのは、ナポリ湾の海底に眠る古代ローマの都市、Baieの遺跡だとされている。
この都市は、大量の火山灰に埋もれたポンペイに近く、これまでもさまざまな遺物が発見されてきたという。
そして最近、Baieの遺跡からは、色とりどりの大理石などが敷き詰められた床が発見されたそうだ。
高位の人物の別荘だった可能性
この床は、さまざまな形や色の何千もの石板が組み合わさり、美しい幾何学模様が描かれていたという。
またこのモザイクには、大理石以外にも貝殻や、貝の真珠層、ガラスなどが埋め込まれていたそうだ。
この床は3世紀頃の物とみられ、高位の人物が所有していた別荘の、応接室の床だと考えられている。
海辺のリゾート地だった
Baieの都市は何世紀にもわたり、ユリウス・シーザーやキケロなど、裕福なローマのエリートたちが訪れた、ファッショナブルな海辺のリゾート地だったという。
都市の通りには豪華な別荘が立ち並び、人々は治癒効果があると言われた火山温泉を目当てに訪れ、その後は快楽主義的なサービスを求めて訪れたそうだ。
ストア派の哲学者、セネカは、悪徳と罪のため「この場所は避けるべき」と述べていたとか。
しかしBaieの都市は、ローマ帝国の崩壊と共に衰退。さまざまな侵略者からの攻撃にさらされ、8世紀にはイスラム軍の攻撃も受けたという。
その後16世紀には、Baieが位置するフレグレイ平原(カルデラ)の火山活動により、都市の大部分が海面下に沈み、一部だけが今も沈まず、地上に残っているそうだ。(了)
出典元:METRO:Archaeologists discover beautiful marble floor in an ancient sunken city(7/27)