NASAの木星探査機「エウロパ・クリッパー」の打ち上げに成功、生命環境を調査
NASAは木星と衛星の「エウロパ」へ探査機を送り込む計画を立てており、先日その打ち上げに成功した。
「エウロパ・クリッパー」
NASAの新しい探査機「エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)」は、14日午後12時6分(米東部時間)、フロリダ州ケネディ宇宙センターから、スペースXの「ファルコン・ヘビー・ロケット」に搭載され、打ち上げられた。
NASAは、打ち上げから約1時間10分後に同探査機からの信号を受信。移動中に電力を供給する大型太陽電池パネルは、打ち上げから3時間後に展開されたという。
「エウロパ・クリッパー」は地球外生物を探すのではなく、接近して「エウロパ」の氷の下を観察し、そこにある環境が生命を維持できるかどうかを判断する。
A journey of 1.8 billion miles is about to begin.
All about NASA’s #EuropaClipper mission to explore Jupiter’s intriguing moon Europa: https://t.co/KX1yfEbiNu
Launch is slated for Monday, Oct. 14. Here’s how to watch: https://t.co/x4XNEuvd7U pic.twitter.com/qkUkVq39pT
— NASA Europa Clipper (@EuropaClipper) October 13, 2024
NASAが開発した最大の探査機
「エウロパ・クリッパー」は、巨大なソーラーパネルを備え、NASAが惑星を調査するために建造した中でも、最大の探査機となっている。
木星に到達するまでには、5年半もかかり、「エウロパ」の表面から25km以内に接近。他のどの探査機よりも、かなり近い距離に到達することになるという。
またこの宇宙船には、氷を貫通するレーダーや、ほぼ衛星全体の地図を作成できるカメラ、「エウロパ」の表面と希薄な大気を分析するツールなど、9つの機器が搭載されているそうだ。
月とほぼ同じ大きさの「エウロパ」
木星には95個の衛星があると知られているが、中でも「エウロパ」は、月とほぼ同じ大きさとされている。
そして厚さ15kmから24km以上の氷床に覆われていると推定され、その下には深さ120km以上の海があると考えられている。
そもそも生物が生息するには、水やエネルギー源としての有機化合物が必要だが、「エウロパ」の海底にある熱噴出孔には、それがあるとも考えられているそうだ。
ただ、生命が見つかったとしても、地球の深海から生まれた細菌のように原始的なものになると、想像されているという。(了)
出典元:ABC News:NASA’s Europa Clipper spacecraft will scour Jupiter moon for the ingredients for life(10/12)