ISSでの空気漏れが時間と共に悪化、NASAが警告
国際宇宙ステーション(ISS)のロシア側のモジュールでは、すでに5年間も空気漏れが続いているとして、NASAが警告した。
2019年から漏洩を認識
その空気漏れは、ロシアの「Zvezda」(ズヴェズダ)モジュールを、宇宙ステーション本体に接続する、「PrK」モジュールと呼ばれる区画で発生しているという。
NASAとロシアの宇宙機関「ロスコスモス」は、少なくとも2019年から漏洩を認識していたが、その根本的な原因は謎のままとなっている。
空気漏れが発見されて以来、宇宙飛行士は使用していない時に区画を密閉するなど、影響を最小限に抑えるためのさまざまな措置を講じてきたそうだ。
しかし、「ロスコスモス」とNASAは現在、漏洩の深刻さについて意見が一致していない。
「壊滅的な故障」につながる可能性
最近発表されたNASAの報告によると、この空気漏れは、2030年までISSを運用する目標にリスクをもたらすほど悪化しているという。
さらにNASAの一部関係者は、これがISSの「壊滅的な故障」につながる可能性があると考えているそうだ。
しかしロシア側は、漏れの深刻さを軽視しており、将来のISS運用を危険にさらすことはないと主張している。
ISSには2000年11月から継続的に人が滞在しており、そのインフラのほとんどは25年前のものとなる。
経年劣化により、特定のセクションの壁に小さな亀裂が生じた可能性があり、また小さな破片や微小隕石との衝突により、穴が開いた可能性もあるという。
NASAと「ロスコスモス」は、空気損失率が「耐えられない」状態になった場合、漏れのある区画を密閉することに合意。しかし「耐えられない」とする基準については、合意できていない。(了)
出典元:Livescience:NASA warns of potential ‘catastrophic failure’ on leaking ISS — but Russia doesn’t want to fix it(11/22)