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150万年前の足跡から、猿人が人類の祖先と共存していた可能性が浮上

150万年前の足跡から、猿人が人類の祖先と共存していた可能性が浮上
X_Science Magazine

ケニアで発見された足跡から、2種のヒト科が同時代に存在していた可能性が指摘されている。

 

「パラントロプス・ボイセイ」の足跡か?

 

この研究を行ったのは、アメリカ・チャタム大学や、ストーニーブルック大学などの国際的な研究グループだ。

 

彼らは、ケニア北部のトゥルカナ盆地の堆積物で発見された、約150万年前の足跡を分析。足跡の歩幅から、その個体は適度に速いペースで歩いていたことが示唆されたという。

 

また足の解剖学的構造や、歩行による地面との接触パターンの点で、足跡は現代人のものとは異なっていたそうだ。

 

そして足の親指の解剖学的構造から、研究者たちは、この足跡が猿人の「パラントロプス・ボイセイ」のものだと考えているという。

 

「パラントロプス・ボイセイ」は猿人だが、人類の直接の祖先ではなく、同じ猿人の「アウストラロピテクス」よりも顎が巨大で頑丈なため、かなり硬いものまで食べていたのではないか、と考えられている。

 

付近には「ホモ・エレクトス」の足跡も

 

また研究者は、この足跡の付近で、別方向へ向かう、3つの足跡を発見。それを分析したところ、現代人に見られるものと確かに類似していたという。

 

その結果、研究者はこの足跡が、当時この地域に住んでいた人類の祖先「ホモ・エレクトス」のものだと考えている。

 

しかもこれらの足跡の分析から、ヒト科の2つの種が、数時間から数日以内に同じ場所にいたことが示唆されたそうだ。

 

このことから「パラントロプス・ボイセイ」と「ホモ・エレクトス」が、同時代にこの地域に存在していた可能性が浮上した。

 

今回の研究論文の筆頭筆者で、チャタム大学のケビン・ハタラ博士は、次のように述べている。

 

「この2つの種は、その土地で互いの存在に気付いていただろうし、おそらく互いを『違う』と認識していたでしょう。彼らがどのように交流していたかについて、多くの興味深い疑問が湧いてきますが、その答えはまだ全て分かっていません」

 

研究者らによれば、東トゥルカナでは同様の時期に、2つの異なるヒト科が残した足跡もいくつか発見されているという。(了)

 

出典元:The Guardian:Footprints in Kenya ‘show distant relatives of modern humans coexisted’(11/28)

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