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海洋生物学者らが、深海の海底から現れた謎の生物を撮影【動画】

海洋生物学者らが、深海の海底から現れた謎の生物を撮影【動画】
ScienceDirect

海洋生物学者が、生態のほとんど知られていない深海生物の撮影に成功した。

 

深海に生息するイソギンチャクを撮影

 

科学誌「Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers」に掲載された論文によると、撮影された生物とは、深海に生息するイソギンチャク「イオサクティス・ヴァガバンダ(Iosactis vagabunda)」だという。

 

研究者たちは、アイルランド沖の海底、ポーキュパイン深海平原において長期間の観察を行い、合計で2万9016枚の写真を撮影したそうだ。

 

また18の個体を20カ月間にわたり8時間間隔で観察し、また1個体を2週間にわたり20分間隔で観察したという。

 

そして公開された映像(写真をつなぎ合わせたものか?)には、海底から「イオサクティス・ヴァガバンダ」が這い出てくる様子が映っていた。

 

自分より大きな生物も食べる

 

「イオサクティス・ヴァガバンダ」は24本の触手を持ち、新しい巣穴を作るのに何時間も費やし、餌を食べている合間に巣穴から巣穴へと移動することがよくあるという。

 

これは、他のイソギンチャクの種とは異なる特徴とされている。

 

またこのイソギンチャクは通常、海底の植物性デトリタス(植物性プランクトンの死骸などの有機物粒子)を食べるが、自分よりはるかに大きいゴカイなどの多毛類も捕食するそうだ。

 

実際に他の画像では、体長1インチ(約2.5cm)未満のイソギンチャク1匹が、16時間かけて体長4インチ(約10cm)の海生動物を捕食している様子が捉えられていた。

 

研究者によると、このような摂食行動と移動パターンにより、「イオサクティス・ヴァガバンダ」は重要な炭素循環生物になっているという。

 

その上で研究者たちは、地球温暖化が進み、海洋が吸収する熱量が増えるにつれ、海洋に関わる効果的な気候緩和戦略を発見するために、さらなる海底探査が必要になると指摘している。(了)

 

出典元:ABC News:Underwater camera captures elusive tentacled creature 3 miles below ocean surface(5/14)

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