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中国とソロモン諸島の安保協定案が流出、基地建設への懸念が強まる

中国とソロモン諸島の安保協定案が流出、基地建設への懸念が強まる
Instagram/visitsolomons.japan

先週末、中国と南太平洋のソロモン諸島との安全保障協定の草案が流出し、周辺国で懸念が強まっている。

 

中国の軍の派遣も要請可能に

 

流出した協定の草案には、中国海軍の艦船が「寄港や物資補給」のために島々に派遣できる条項があったという。

 

また島における中国のプロジェクトを保護するために、中国の軍隊を配備することも認めており、ソロモン諸島側が中国に対し、「警察、武装警察、その他の法執行および軍」の派遣を要請することができる、と書かれていたそうだ。

 

流出した草案が最終的なものであるかどうかは確認されていない。しかし、その草案の内容は非常に幅広く、拡張的であったため、中国がソロモン諸島に軍隊を配備し、海軍基地を建設するのではないか、との懸念が強まっている。

 

オーストラリアも援助していたが…

 

特に強い懸念を抱いているのは、ソロモン諸島の南に位置するオーストラリアだ。

 

実は第二次世界大戦以来、オーストラリアはソロモン諸島の最大の援助国であり、開発パートナーであり、現在に至るまで唯一の安全保障上のパートナーだったという。

 

また5年前に、ソロモン諸島の国内政治が、中国の融資や経済投資を後押ししていた際にも、オーストラリアは自国の援助資金を増額した。

 

しかし協定の草案が流出したことで、ソロモン諸島が中国にとって太平洋における最初の足がかりとなると、懸念している。

 

アメリカや同盟国も懸念

 

アメリカをはじめとする西側諸国の同盟国も、ここが新たな潜在的紛争地域になることに懸念を表明してきたという。

 

しかしソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相は、既存のインフラやその他のビジネス投資に加え、中国との安全保障取引を求める自国の権利を断固として擁護しているそうだ。

 

その一方で、ソガバレ首相は29日、国会において「我々は、地政学的な権力闘争に加わるつもりはない。どちらかの側につくことはない」と語っている。

 

ただ今回の草案では、オーストラリアとの協定と比較すると、中国との協定の方がはるかに広範囲に及んでいるという。

 

実はソロモン諸島では昨年、首都ホニアラで大規模な暴動が発生しており、今回中国と協定を締結すれば、暴動が起きた際に、中国の部隊が迅速に対応できるようになると言われている。(了)

 

出典元:BBC:China gains a foothold in Australia’s backyard(3/29)

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