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殺されたはずの反体制派のロシア人記者、会見に姿を現わし同僚らが歓喜の声

殺されたはずの反体制派のロシア人記者、会見に姿を現わし同僚らが歓喜の声
Twitter/Радіо Свобода

先日、プーチン政権に批判的なロシア人ジャーナリストが殺害されたという報道がされたが、昨日、本人が記者会見場に現れ、世界中が驚きに包まれた。

 

会場は拍手、同僚も歓喜の声を上げる

 

殺されたはずのジャーナリストとは、アルカディー・バブチェンコさん。彼は以前、プーチン政権に批判的な記事を書いたことで、ロシア当局から殺害予告や脅迫を受けており、ウクライナに移住していたという。

 

そして5月29日、彼がマンションの入口で背後から銃で撃たれ、傷を負って倒れているとの通報が入る。その後、病院へ運ばれる途中、救急車の中で死亡したと伝えられ、このニュースは世界中を駆け巡ったそうだ。

 

 

しかし5月30日に、バブチェンコさんは元気な姿でウクライナの首都、キエフの記者会見場に姿を現した。すると会場は息を飲む声と拍手に包まれたという。

 

またバブチェンコさんが働いていたウクライナの民放ATRテレビの同僚たちも、彼の姿を見た瞬間に歓喜の声を上げ、その様子もツイッターに投稿された。

 

ロシアの機関が雇った暗殺者を1人逮捕

 

会見に同席していたウクライナ保安庁のバシル・フリチャク長官は、今回の件について、バブチェンコさんを殺害しようとしていた暗殺者を捕まえるための「おとり捜査」だったと説明。これによりロシアの諜報機関にお金で雇われた暗殺者を1人逮捕したという。

 

またバブチェンコさんは会見で、ウクライナの警察などへ感謝の言葉を述べると同時に、心配してくれた仲間や家族に対して、この捜査に参加する以外選択の余地はなかったと説明。その上で次のように述べている。

 

「私は仕事をやり遂げた、そしてまだ私は生きている。私はこれまでに何度も、多くの友人や仲間を埋葬してきました。それがどんな苦い気持ちかを知っています。同じような経験をさせてしまい申し訳ありません。しかし他に方法はなかったのです」

 

ロシア政権を批判する記事をFBに投稿

 

バブチェンコさんは以前、赤軍合唱団を乗せていたロシアの輸送機「Tu-154」がシリアへ向かう途中、黒海に墜落した記事をフェイスブックに投稿。その中で、彼はロシア政権を「侵略者」と表現したという。

 

これによりロシア当局から死の脅迫を受けたり、嫌がらせを受けたりしてきたため、2017年にロシアから逃亡した。

 

またバブチェンコさんは今から1カ月ほど前に、ウクライナの保安庁から自分の暗殺計画が進められていると知らされたとも語っている。

 

ロシア政府は今回の会見内容や「おとり捜査」について、「反ロシアの扇動行為」だと批判。また内外から、ウクライナの保安当局の戦略を疑問視する声も多く出ているという。(了)

 

※事件の背景など、さらに詳細を知りたい方は、「BBC 日本語版」を読んでいいただきたい。

 

出典元:BBC:Arkady Babchenko: Ukraine faked murder of journalist(5/30)

出典元:CBC:‘I’m still alive’: Russian journalist shows up at Kyiv news conference after death faked(5/30)

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