一体なぜ?アメリカでは毎週300人以上が新型コロナで死亡

アメリカではいまだに、毎週、平均で300人以上が新型コロナウイルス(COVID-19)で死亡していると言われている。
過去数年間に比べると少ないものの…
アメリカ疾病対策予防センター(CDC)のデータによると、4月は毎週平均で約350人がCOVID-19で亡くなったという。
もっとも2021年1月には、1週間に2万5974人が死亡しており、そのピーク時や、過去数年間の春の時期の死者数に比べると、現在は低い水準となっている。
デューク大学医療センター感染症・小児科教授のトニー・ムーディー博士はABCニュースに対し、「依然として死者が出ているということは、ウイルスがまだ蔓延しており、人々が感染し続けているということです」と述べ、COVID-19は依然として高いリスクのある人々にとって脅威であると指摘している。
ワクチン接種率の低さ
専門家によれば、COVID-19による死亡者が出ている理由はいくつかあり、ワクチン接種率の低さ、免疫力の低下、治療を受ける人が少ないことが挙げられるという。
CDCのデータでは、2024~25年のシーズン中、4月26日までの時点で、18歳以上の成人のうち、最新のCOVID-19ワクチンを接種したのはわずか23%。子供はわずか13%だったそうだ。
疾病予防に重点を置くアトリア研究所のワクチン学者であるグレゴリー・ポーランド博士は、ワクチン接種を受ける人が十分でない可能性があり、これが毎週のCOVIDによる死亡者数の増加につながっていると述べた。
またポーランド博士は、ワクチン接種を受けた人の中にも、適切な免疫反応が発現していない人がいる可能性や、時間の経過とともに免疫が弱まり、感染しやすくなっていること、また高齢により免疫老化が起きている可能性を指摘している。
このためアメリカでは、65歳以上の人に対して、改良されたCOVIDワクチンを6カ月間隔で2回接種することが推奨されているという。
症状が重くなるまで診察を受けず
また現在、COVID-19の患者のために複数の抗ウイルス薬もあり、それらは症状が現れてから5日以内に投与しなければならない。静脈内に投与する薬「レムデシビル」の場合は、症状が現れてから7日以内に投与する必要がある。
しかしCOVID-19の患者の中には、症状が出ているにもかかわらず、症状が重くなるまで医師の診察を受けていない人がいたり、COVID-19の検査を受けていないため、診断が見過ごされたりしている場合もあるという。
ムーディー博士も、全員が定期的に検査を受ける必要はなく、高リスクの人だけが頻繁に検査を受けるべきだとしつつも、「感染していても発見されず、治療を受けていない人がいることは確かです」と述べている。(了)
出典元:ABC News:Why are more than 300 people in the US still dying from COVID every week?(5/24)