深海の海底で逆さまに埋まるイカ、科学者が珍しい行動を目撃

科学者たちが珍しいイカの行動を目撃し、その様子を報告している。
深海平原を撮影中に目撃
11月25日付の「エコロジー」誌に掲載された論文によれば、そのイカが目撃されたのは、メキシコとハワイの間にある深海、クラリオン断層帯とクリッパートン断層帯に囲まれた、クラリオン・クリッパートン海域(CCZ)だという。
当時、研究者チームは、深海採掘が生物にどのような影響を与えるかを調査するため、無人探査機(ROV)を使い、深海平原を撮影していたそうだ。
その時、水深約4100メートルの深海で、ほぼ全身を逆さまにして海底に埋まっているイカを目撃したという。

触手が海底から突き出る
その生物は、新しいムチイカ(whiplash squid)の一種と考えられ、水管と2本の長い触手が海底から突き出ていたそうだ。
泥で体を覆ったり、体を土に埋めたりする行動は、タコやコウイカ、さらには浅瀬に生息するイカ類でも、これまで観察されてきた。
しかし深海のイカでこのような行動が記録されたことはなく、しかも逆さまになっているのも初めてだったという。
スコットランド海洋科学協会の深海生態学者で、研究論文の筆頭著者であるAlejandra Mejía-Saenz氏も、次のように述べている。
「このイカが泥で体を覆っているという事実、そしてそれが逆さまになっているという事実は、イカとしては新しいものです。頭足動物ではこのようなことは、決して見たことがありません。非常に斬新で、非常に不可解でした」
カモフラージュしている2つの理由
この様子を観察した研究チームは、イカがカモフラージュしていると考えており、触手を突き出したまま海に潜っていた理由が2つあると指摘している。
つまり捕食者を避けようとしていたか、あるいは触手で海綿の真似をして、好物の甲殻類を誘い出していたかだ。
またその両方を実現するために、イカが海底に逆さまに潜っていた可能性も指摘している。(了)
出典元:Livescience:‘Very novel and very puzzling’: Unknown species of squid spotted burying itself upside down, pretending to be a plant(12/12)

























