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古代の人間が、オオカミを飼育し、共存していた可能性

古代の人間が、オオカミを飼育し、共存していた可能性
Stockholm University

北ヨーロッパに位置するバルト海の孤島で、古代のオオカミの化石が発見され、先史時代の人間が飼育していた可能性が指摘されている。

 

3000~5000年前のオオカミの骨を発見

 

この研究を行ったのは、イギリスのフランシス・クリック研究所やイースト・アングリア大学、アバディーン大学、スウェーデンのストックホルム大学などの研究者たちだ。

 

彼らはスウェーデンのStora Karlsö島にある、Stora Förvar洞窟で、3000~5000年前のものとされるオオカミの骨を発見したという。

 

この洞窟には、石器時代から青銅器時代にかけて、アザラシの猟師や漁師が頻繁に利用していた痕跡が見られたそうだ。

 

しかもこの島の面積はわずか2.5平方キロメートルで、在来の陸生哺乳類の痕跡は見つかっていない。

 

この孤立した環境から研究者たちは、オオカミがおそらく船で人間によって持ち込まれたと考えている。

 

旧石器時代に分化

 

そもそもイヌ(イエイヌ)はオオカミと交雑を続け、長い間に渡って進化し、旧石器時代に分化したと考えられている。

 

ナショナルジオグラフィック誌によれば、氷河期の化石の中には、完全なオオカミでもイエイヌでもない、その中間的な進化の初期段階の「初期イヌ(incipient dog)」と呼ばれるものがあるという。

 

そして「初期イヌ」のうち、記録上最古の化石のものの1つは、1860年代にベルギーのゴイエ洞窟で発見された大きな頭蓋骨で、約3万6000年前のものと考えられている。

 

DNAの分析でオオカミだと判明

 

今回、研究者たちは、洞窟で発見された2つの骨のDNAを分析。これにより、これらの動物がイヌではなく、オオカミであることが確認されたという。

 

また、いくつかの特徴から、オオカミが人間と密接な接触を持っていたことも示唆された。

 

オオカミの1頭は、足に負傷を負いながらも生き延びたと見られ、狩猟が困難だったと考えられている。この事実から、このオオカミが人間から、何らかの保護を受けていたことが示唆されたそうだ。

 

研究論文の著者であるアバディーン大学のライナス・ガードランド=フリンク氏は、次のように述べている。

 

「これらのオオカミが人里離れた島で発見されたことは、全く予想外のことです。他のユーラシアオオカミと、このオオカミの祖先が区別できないだけでなく、人間と共存し、彼らの餌を食べていたようです。しかも、船でしか到達できなかった場所で」

 

Stockholm University

人間とオオカミの多様な関係

 

まだこの化石からは、オオカミが飼いならされていたのか、飼育されていたのか、あるいは別の方法で管理されていたのか、明確にはなっていない。

 

ただし今回の発見は、人間とオオカミの関係が、かつて考えられていたよりも、はるかに多様であったことを示しているという。

 

研究者たちは、洞窟における人間とオオカミの交流は緊密な協力関係に基づいていたようで、初期の家畜化を示唆していると指摘している。(了)

 

出典元:INDEPENDENT:Humans cared for wolves long before dogs emerged, study finds(2025/12/31)

出典元:Science Daily:Ancient wolves could only have reached this island by boat(2025/12/29)

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