マルハナバチの女王が、1週間以上も水中で生き続けられる仕組みを解明

カナダの大学で、マルハナバチの研究が進められ、長い間水中でも生き続けられる仕組みが明らかにされた。
代謝を変化させていると推測
この研究を行ったのは、カナダにあるオタワ大学の進化生理学者、チャールズ・ダーヴォー氏率いる研究チームだ。
生態学者のサブリナ・ロンデュー氏は2022年の冬、霜の降りた冷蔵庫から滴り落ちた結露が、冬眠状態にあった4匹のマルハナバチ(女王蜂)の入った容器に流れ込んでいるのを見つけ、中から取り出したところ。まだ生きていたという。
ダーヴォー氏は、ロンデュー氏の研究で、マルハナバチが数日間水中で耐えられることに興味をそそられ、ハチが通常の休眠時よりもさらに代謝を遅くし、酸素の必要量を減らしているのではないかと推測。
特にハチが嫌気性代謝――主に微生物が用いる呼吸法で、動物でも筋肉の急激な活動時に用いられる呼吸法――に切り替えている可能性もあると考えたそうだ。
そこでダーヴォー氏は、ロンデュー氏と学部生のスカイラー・ロハス氏と共に、冷蔵庫で休眠状態に保った50匹のマルハナバチを研究し始めた。
代謝率が徐々に低下、乳酸値が増加
彼らはマルハナバチを冷蔵庫から取り出し、1匹ずつ、ほぼ満杯になるまで水の入った小さな容器に入れたという。
そして8日間、研究者らは容器から出る、微量の二酸化炭素(CO2)を測定。これは、水に浸かったマルハナバチが吐き出したものとなる。
その後、水から出して、休眠状態にあるマルハナバチと比較。すると水中にいたマルハナバチは、初日に吐き出したCO2が75%も少なく、代謝率が半分以下に低下したことが示された。
嫌気性代謝の場合、酸素を必要としないが、危険な副産物である乳酸が蓄積される。
そして実験中も、代謝率は徐々に低下し、必要とする酸素量が減少。さらに体内の乳酸が15倍に増加したことから、マルハナバチが部分的に嫌気性代謝に切り替わったことが示された。
その後、水から取り出されたマルハナバチは、数日かけてゆっくりと目覚めていったという。
体の周りの空気層で呼吸も
またダーヴォー氏は、マルハナバチが水中で呼吸できるのは、体を覆う薄い空気層のおかげではないかとも考えている。
この層は物理的な鰓として知られており、他の昆虫も周囲の液体と酸素と二酸化炭素を交換するために利用しているという。
一部の種、特に氾濫原に巣穴を掘る種は、休眠中に浸水した場合でも、水中で生き延びるための適応を進化させてきた可能性があると考えられている。(了)
出典元:Science:How bumble bees survive days underwater without drowning(3/10)

























