ベッドに寝ているだけで200万円以上!NASAが募集する“バイト”の中身とは?
毎日、ベッドで好きなだけ寝ることを夢見る人に朗報だ。
ベッドに寝ているだけで200万円以上もの報酬を得られる驚きの“バイト”を、アメリカ航空宇宙局(NASA)が募集し、話題を集めている。
200万円もらえる実験の中身とは…
ベッドに寝ているだけで報酬を得ることができる“バイト”は、無重力状態が人の身体に及ぼす影響を研究するため、NASAが募集を行っているもの。
被験者は60日間ベッドに横たわった生活を続けるだけで、1万6500ユーロ(約207万円)もの報酬を受け取ることができるという。
また被験者は研究に参加する直前の5日間、2カ月間にも及ぶ研究内容について熟知するための時間を与えられると共に、2カ月間の実験終了後も14日間に及ぶリハビリに参加しなければならないとのことだ。
被験者は具体的には何をする?
それでは被験者は具体的に何をすればよいのだろうか。
今回の研究においては、全ての被験者は個室を与えられ、頭を下向きに6度の角度でベッドに横たわる。
被験者はその状態で食事やシャワー、排せつといった全ての活動を行わなくてはならないという。
また被験者には体重が増えてしまわない程度に、必要な栄養を全て摂取できる食事が栄養士によって準備されるとのこと。ただ食事は必ずしも非常に健康的なものばかりではなく、時にはパンケーキやその他のスイーツが提供されることもあるとのことだ。
また被験者はテレビを見たり読書をしたりといった余暇を楽しむことに加え、オンラインコースにより勉強をすることも可能とのこと。ベッドに横たわりながらも退屈することはなさそうだ。
研究は2回に分けて行われ、その1回目となるものはそれぞれ12人の男女が参加し、先月26日に既に開始されている。
一方、2回目のものは今年の9月から12月にかけ、ドイツのケルンに位置するドイツ航空宇宙センターの施設で行われる予定となっている。
無重力状態が人の身体にもたらす変化とは
宇宙飛行士は宇宙にいる際、常に無重力にあるが、この状態は人の身体に変化を及ぼす。
宇宙の無重力状態に曝され身体にかかる負荷が少なくなると、筋肉や骨が衰えると共に、体液が頭部に向かって移動してしまう。
このような無重力状態を経験することによる影響を弱めるため、宇宙飛行士らが宇宙空間にいる多くの時間を運動へと費やすことを余儀なくされている。
そのためベッドに横たわり身体にかかる負荷を減らし、無重力状態と類似した影響を人の身体に与えて調べ、宇宙飛行士らが宇宙空間にいる間の時間を、より有意義に利用できるようにすることが、今回の研究の目的のようだ。
研究では人工的に重力を生み出す装置も使用予定
「有人宇宙飛行は、微小重力下において実験を行うため将来的にも重要であり続けるが、それは宇宙飛行士のため可能な限り安全でなくてはならない」
今回の研究をNASAと欧州宇宙機関(ESA)の委託により行うドイツ航空宇宙センターのHansjörg Dittus氏は、研究の意義についてこう語る。
さらに氏はこの研究が、欧州や米国の宇宙研究者らが共同し、人の生理学に関する科学的知識を可能な限り得ることができる機会であるとしている。
一方、無重力空間における身体への影響を軽減させるための装置は、既に考案されている。
この装置においては遠心力を利用することにより人工的に重力を生み出し、それによって体液の流れを正常な状態へと正すことができるという。
装置は今回の研究においても、3分の2の被験者に対して毎日使用される予定であるとのことだ。
気になる被験者の条件とは…?
尚、この研究の被験者となるには条件がある。
被験者としては、24歳から55歳の非喫煙者で健康的な女性が求められているとのこと。
さらに被験者はドイツ語が話せなければならないとのことだ。
ベッドに寝ているだけで200万円ももらえるという、“美味しいバイト”のような今回の研究。果たしてどれくらいの人々が応募するのか、気になるところだ。(了)
出典:CNN:Space scientists want to pay you almost $19,000 to lie in bed for 2 months(3/28)
出典:Boredpanda:NASA Offers $18,500 To People Willing To Stay In Bed For 60 Days