米フロリダ上空に現れた火の玉は、中国ロケットの胴体だった
7月3日、現地時間の午前2時過ぎ、米国フロリダ州マイアミの上空に、長い尾を引いて落下する火の玉が出現し、住人たちを驚かせた。
UFOか? 巨大隕石か?
@NWSMiami Good morning! This shot through the sky at about 2:15 this morning…I took this photo & viewers have sent in video as well…Do you guys know what it is? pic.twitter.com/dNq39dTv7R
— Sandra Shaw (@wpbf_sandra) July 3, 2019
(おはよう! 今朝2時15分頃、これが空を走り抜けた…私はこの写真を撮り、見た人たちもビデオを送ってきている…みなさん、これは何なのでしょう?)
このことを報じた海外メディアによれば、フロリダ州パームビーチ郡保安官事務所に少なくとも2件の電話通報があったとのこと。通報者の一人は「UFOではないか」と言っていたそうだ。
また、この時間にマイアミ市内の道路を車で走っていたDavid Larenasさんは、こう話している。
自分が何を見ているのかよく分かりませんでした。雲のような長い尾を引く火の玉は、まるで映画のシーンを見ているようでした。
見ているうちに、映画の『ディープ・インパクト』を思い出して、この後、津波が起こるのではないかと思いました。
Did you see these impressive #fireballs in the sky? Getting numerous reports of bright #meteors over South #Florida at 2:19am this morning. Video is courtesy of Brent Hedeen pic.twitter.com/eeWfnBJLJ4
— Steve Weagle (@SteveWeagleWPTV) July 3, 2019
ロケット長征3号の胴体
火の玉の正体は、後に、中国のロケットの残骸であることが分かった。中国が過去に打ち上げた3段式ロケット「長征3号」の胴体の一部が大気圏に再突入し、空気との摩擦で燃え出し火の玉となった。
米国空軍は、こうしたロケットの残骸など、宇宙空間に漂う2万5000のスペースジャンクを追跡し、そのデータをサイト「SATVIEW」で公開している。長征3号の胴体については、同日午前2時16分に大気圏に再突入したことが記録されている。
米国流星学会(American Meteor Society)のMike Hanky氏によれば、スペースジャンクの火の玉は隕石と比べてスピードが明らかに遅いので、専門家が見ればすぐに区別がつくそうだ。
また、米国の軍事上の人工衛星管理を行う組織「宇宙統合機能構成部隊(Joint Force Space Component Commander)」からも、これが長征3号であることを確認したとの発表があった。(了)
出典元:The Palm Beach Post:Air Force explains what created the fireball that lit up South Florida predawn sky(7/3)
出典元:UPI:Fireball over Florida was debris from Chinese rocket(7/3)