60体のマンモスの骨で造られた氷河期時代の巨大な構造物、ロシアで発見
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ロシアでこれまでにない規模の、マンモスの骨で作られた構造物の跡が発見された。
2万5000年前に作られた構造物
この調査を行ったのは、イギリスのエクセター大学などの研究者たちだ。
彼らはロシア西部ヴォロネジ州にある、「Kostenki11」というサイトを発掘し、氷河期時代にマンモスの骨で造られた巨大な構造物があったとみられる円形の跡を発見したという。
この構造物は約2万5000年前のものとされ、当時の人々が狩りなどで捕らえたマンモス、約60体分の骨を使い、組み立てたと考えられている。
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最も古く、巨大な構造物
この構造物は幅12.5mほどの土地に建てられていたことから、相当な時間と労力がかけられたと推測されているそうだ。
またこれらの骨は狩り以外にも、自然に死んだマンモスの死骸から集められたとも考えられている。
研究者によれば、このようなマンモスの骨の構造物は、以前もヨーロッパ東部やロシア西部などで発見されていたが、2万2000年以上も前のものはなく、今回の構造物は最も古く、かつ大規模になるという。
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どのように使っていたのか?
そして土壌サンプルを濾したところ、円形の内部で、焚火の痕跡と思われる炭化した木片も確認された。しかしこの構造物が、どのように使われていたのかは明らかになっていない。
研究者は以前見つかった同様の構造物が、厳しい冬の間、人々の住居になっていたのではないかと考えていたが、今回の発見によって、その考えが揺らいでいるとか。
というのも今回の構造物は巨大かつオープンスペースのため、屋根を覆うことが難しいことから、長期間人間たちが留まるのは困難だと考えられるからだ。
そのため現在、研究者らは、発掘現場でわずかな道具しか発見されていないことからも、ここで食料が保管されたか、または宗教的な儀式が行われた可能性があると考えているという。(了)
出典元:Science News:This is one of the largest Ice Age structures made of mammoth bones(3/16)