【新型コロナ】韓国が再陽性患者の調査を報告、再感染も再活性化もなし
韓国では以前、新型コロナウイルスによる病気から回復した人が、再び陽性になるケースが起きていたが、今回その調査結果が報じられた。
再感染・再活性化もなし
韓国では4月初め以来、新型コロナウイルスに感染した患者が、その後回復したにもかかわらず、再び陽性となるケースが確認されてきた。実際、4月26日の時点で、再陽性の患者が263人にまで及んでいるという。
このため以前から、ウイルスが最活性化(再燃)したのか、または患者が再感染したのか、との疑念が生じていた。
その後、韓国の保健当局は再陽性になった患者を調査。4月30日には記者会見を開き、これらの患者が再感染しておらず、ウイルスも再活性化していないと報告した。
ウイルスの死骸を検知してしまった
調査に携わった感染症の専門家によれば、検査で再陽性になったケースは、PCR検査プロセスの欠陥によって引き起こされたと結論づけたという。
そのPCR検査では、ウイルスの残存物(死骸)を拾い上げてしまったそうだ。
さらに専門家は、死んだウイルスの断片が、回復した後も患者の体内に長くとどまっており、ウイルスが再活性化したとも見られないと語ったという。ソウル大学校病院感染症部門のOh Myoung-don教授は、その上で次のように述べている。
「このケースを調査した委員会は、患者が再感染した、またはウイルスが再活性化したと信じるに足る理由をほとんど見つけられませんでした。PCR検査では死んだウイルスのリボ核酸を検知していたのです」
ウイルスの死骸は数カ月体内に残る
これまでも、ウイルスが再活性化する可能性があるとする専門家の意見もあったが、多くの専門家はその説に懐疑的だったという。
実際ウイルスが一度、眠りについて再び目覚めて活発になるという可能性は低く、患者の体内に残されたウイルスの断片が残っていた可能性の方が高いと見られていたそうだ。またそのような患者のウイルス量も少なく、感染力もないと考えられていたとか。
その上でOh教授は、死んだウイルスの細胞は患者が回復してからでも、数カ月間残る可能性があり、検査ではウイルスが死んでいるか、生きているかまでは検知できず、その結果として偽陽性になる場合があると述べている。
ただ今回のウイルスについてはまだよく分かっていないことが多くあるため、今後の研究結果も踏まえて、慎重に判断する必要があるのかもしれない。(了)
出典元:Business Insider:South Korea says recovered coronavirus patients who tested positive again did not relapse: Tests picked up ‘dead virus fragments’(5/1)
出典元:The Korea Herald:Tests in recovered patients found false positives, not reinfections, experts say(4/29)