SFの世界が現実に…ニュージーランドでロボット犬が羊飼いになる
ロボットが人に代わって仕事をするというSFのような世界が、また一歩現実に近づいた。米国とニュージーランドのロボットエンジニアリング会社が協力して、ロボット犬に羊飼いの仕事をやらせる計画が進められている。
四足歩行ロボット「Spot」を遠隔操作
ロボットの遠隔操作システム開発を手がけるニュージーランドのRocos社は、米ボストンダイナミクス社が開発した四足歩行ロボット「Spot」を、牧羊犬に利用するつもりだ。
「Spot」は見た目が犬のようで、起伏の多い地形を自律的に移動できるのが特長。障害物があればロボット自身が判断して避けて進んだり、階段を上り下りしたり、扉を開けて部屋に入ったりすることもできる。
Rocos社は現在、Spotを遠隔操作して羊の世話をさせるシステムを開発中。Spotをどこに移動させるかは人間のオペレーターが判断するが、そこに行くまでの起伏や段差、倒木や茂みなどの障害物は、Spotが自律的に対処しながら進むので、オペレーターは気にする必要がない。また、この遠隔操作は、地球上のどこからでも可能だという。
「退屈」「汚れる」「危険」な仕事はロボットに
Rocos社とボストンダイナミクス社にとって、今回の計画はほんの手始めに過ぎないようだ。これから牧畜業だけでなく、さまざまな分野でロボットが労働力になるだろう。ボストンダイナミクスのMichael Perry氏はこう言う。
「我々は今、Rocos社と協力して、さまざまな業種でロボットがどう使えるかを模索中です。今後は世界中の企業活動に、ロボットが全く新しい効率性をもたらしてくれるでしょう」
Rocos社の最高経営責任者であるDavid Inggs氏は、ロボットが担当する仕事についてこう話す。
「自律型ロボットの時代はもう来ています。うちの社がシステム開発を請け負った顧客企業は皆、人間の労働力にロボットを加えて増強しているわけですが、その仕事内容はというと、単純作業で退屈なもの、汚れるもの、危険なものが主です」(了)
出典元:UPI:Robot dog herds sheep in New Zealand(5/22)
出典元:Rocos: