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オックスフォード大学が新型コロナ・ワクチンの治験を再開、安全性を確認か

オックスフォード大学が新型コロナ・ワクチンの治験を再開、安全性を確認か
YouTube/University of Oxford

イギリスの製薬会社「アストラゼネカ」と新型コロナ・ワクチンの共同開発を行っているオックスフォード大学が、一時的に中断していた臨床試験を再開させると発表した。

 

安全性を確認する時間が与えられた

 

この新型コロナウイルス・ワクチンの臨床試験はすでに最終段階の第3フェーズに入っていたが、9月6日に一時的に治験が中断された。

 

この中断理由については発表されていないが、ニューヨーク・タイムズによれば、一時的な中断はワクチンを接種した被験者の1人に横断脊髄炎、脊髄に影響を及ぼし、しばしばウイルス感染によって引き起こされる炎症性症候群の症状が出たためだという。

 

これによりイギリスやブラジル、南アフリカ、アメリカ、日本での同ワクチンの臨床試験が中断。その後データの安全を確認する作業が進められてきたそうだ。

 

しかし9月12日、オックスフォード大学はリリースを発表。今回の中断により、独立安全委員会とイギリスの規制当局にデータの安全性を確認する時間が与えられたとして、新型コロナ・ワクチンの臨床試験の再開を明らかにした。

 

世界で1万8000人が接種

 

リリースによれば、この臨床試験の一環として世界中で約1万8000人に研究中のワクチンが接種されたが、このような大規模な治験では一部の被験者が体調を崩すことは予想されていたという。

 

そして「慎重に安全性の評価を確実に下すために、全ての症例について注意深く、評価が行われなければならない」としている。

 

その上で、独自の評価プロセスが終了し、独立安全員会とイギリスの規制当局「MHRA」の勧告に従い、イギリスでの臨床試験を再開することになったと述べている。

 

医学的な情報は明らかにせず

 

しかしオックスフォード大学は、再開の根拠となる医学的な情報を明らかにしておらず、今後も安全性に配慮して、高い基準に沿って臨床試験を続けていくとしか述べていない。

 

ただしImperial College LondonのPeter Openshaw教授は、次のように語っている。

 

「オックスフォード大学のアデノウイルスワクチンの治験が再開されたと聞き、また臨床試験に組み込まれたチェック&バランスが効果的だったと再確認されたことに、とても安心しています。調査を許可するために、治験を一時的に中断するのは正しいことでした。治験の再開は、今回の出来事(被験者の具合が悪くなったこと)が、ワクチンに関連したものではないと判断されたことを示しています」

 

またOpenshaw教授によれば、このような大規模な臨床試験では必然的に安全性の問題が発生するため、今後はこのような問題が起きずに、ワクチンが安全で効果的であることが証明されるのを願っているという。(了)

 

 

出典元:Telegraph:Oxford University Covid-19 vaccine trials resume(9/12)

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