絶滅危惧種クロアシイタチのクローンが誕生、種の保存に光明
絶滅危惧種の中でも特に数が少ないクロアシイタチ。成体の体長は50cmほど。北米にしかいないこの可愛らしい動物のクローンが、世界で初めて作られた。今後はクローン技術が種を保存する有効な手段になるだろう、と報じられている。
冷凍された30年以上前の細胞から
そのクロアシイタチは雌で、エリザベス·アン(Elizabeth Ann)という名前が付けられている。30年以上前に生きていた別のクロアシイタチ·ウィラ(Willa)の細胞から作られたクローンだ。
代理母の雌から無事に生まれたのが昨年の12月。その姿が、2月19日、合衆国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)のツイッターアカウントで公開された。
投稿文にはこう書かれている。
最先端の科学と、素晴らしい過去の再現! エリザベス·アンを紹介します。クロアシイタチの初めてのクローンです。30年以上前に死んだ(クロアシ)イタチの冷凍された細胞から作られました。
Cutting-edge science and a blast from the past! Meet Elizabeth Ann. She’s the first-ever cloned black-footed ferret, created from the frozen cells of a ferret that died more than 30 years ago: https://t.co/PJNo7NaFhV
Check the thread for more about Elizabeth Anne! pic.twitter.com/0i85mv9FgH
— US Fish and Wildlife (@USFWSMtnPrairie) February 18, 2021
Additional footage of the lovely Elizabeth Anne. 🙂 pic.twitter.com/fz7HnwyI1F
— US Fish and Wildlife (@USFWSMtnPrairie) February 18, 2021
特に希少な絶滅危惧種
クロアシイタチは1979年頃に絶滅したとされていた。しかし、それから2年ほど後、アメリカ·ワイオミング州の牧場で少数生き残っているのが確認され、現在は合衆国魚類野生生物局が飼育下で繁殖させている。同局によれば、現在生存するクロアシイタチはわずか7匹から生まれ継いだ子孫だとのこと。
7匹の子孫を交配し続けても、やがて遺伝子多様性が失われ、「病気にかかりやすくなったり、遺伝子に異常が起こったりする」という。しかし、今回のエリザベス·アンのように、過去の別個体の遺伝子を持つクローンが子孫に加われば、遺伝子の多様性を保てるとのこと。そうなれば、野生の中で生き残っていく可能性も高まる。
合衆国魚類野生生物局は、今後数ヶ月のうちに、エリザベス·アンに続くクローンを複数作ることを目指している。(了)
出典元:UPI:Scientists unveil first clone of endangered black-footed ferret(2/19)
出典元:U.S. Fish & Wildlife Service:Innovative Genetic Research Boosts Black-footed Ferret Conservation Efforts by USFWS and Partners(2/18)
出典元:CNN:Meet Elizabeth Ann the ferret: The first endangered American animal to be cloned(2/19)