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絶滅危惧種クロアシイタチのクローンが誕生、種の保存に光明

絶滅危惧種クロアシイタチのクローンが誕生、種の保存に光明
Twitter/US Fish and Wildlife

絶滅危惧種の中でも特に数が少ないクロアシイタチ。成体の体長は50cmほど。北米にしかいないこの可愛らしい動物のクローンが、世界で初めて作られた。今後はクローン技術が種を保存する有効な手段になるだろう、と報じられている。

 

冷凍された30年以上前の細胞から

 

そのクロアシイタチは雌で、エリザベス·アン(Elizabeth Ann)という名前が付けられている。30年以上前に生きていた別のクロアシイタチ·ウィラ(Willa)の細胞から作られたクローンだ。

 

代理母の雌から無事に生まれたのが昨年の12月。その姿が、2月19日、合衆国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)のツイッターアカウントで公開された。

 

投稿文にはこう書かれている。

 

最先端の科学と、素晴らしい過去の再現! エリザベス·アンを紹介します。クロアシイタチの初めてのクローンです。30年以上前に死んだ(クロアシ)イタチの冷凍された細胞から作られました。

 

 

特に希少な絶滅危惧種

 

クロアシイタチは1979年頃に絶滅したとされていた。しかし、それから2年ほど後、アメリカ·ワイオミング州の牧場で少数生き残っているのが確認され、現在は合衆国魚類野生生物局が飼育下で繁殖させている。同局によれば、現在生存するクロアシイタチはわずか7匹から生まれ継いだ子孫だとのこと。

 

7匹の子孫を交配し続けても、やがて遺伝子多様性が失われ、「病気にかかりやすくなったり、遺伝子に異常が起こったりする」という。しかし、今回のエリザベス·アンのように、過去の別個体の遺伝子を持つクローンが子孫に加われば、遺伝子の多様性を保てるとのこと。そうなれば、野生の中で生き残っていく可能性も高まる。

 

合衆国魚類野生生物局は、今後数ヶ月のうちに、エリザベス·アンに続くクローンを複数作ることを目指している。(了)

 

出典元:UPI:Scientists unveil first clone of endangered black-footed ferret(2/19)

出典元:U.S. Fish & Wildlife Service:Innovative Genetic Research Boosts Black-footed Ferret Conservation Efforts by USFWS and Partners(2/18)

出典元:CNN:Meet Elizabeth Ann the ferret: The first endangered American animal to be cloned(2/19)

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