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【現代の方舟】地球上の生物670万種のサンプルを月に保管する計画を科学者が提唱

【現代の方舟】地球上の生物670万種のサンプルを月に保管する計画を科学者が提唱
flickr_the real Kam75

アメリカの研究者が、地球上の生物のサンプルを月に保管する計画を提唱した。

 

極低温で凍結した種子や精子などを保管

 

その研究者とは、アリゾナ大学、航空宇宙及び機械工学の教授であるJekan Thanga氏だ。

 

Thanga教授と彼の研究チームは、先日開かれた会議「IEEE Aerospace Conference」に出席。そこで現代の「ノアの方舟」とも言える壮大な計画を提案したという。

 

それは地球が危機に瀕した時に備えて、670万種に呼ぶ生物の、極低温で凍結した種子や胞子、精子、卵子のサンプルを、月に保管するというものだ。

 

なぜ月に保管する必要があるのか?

 

しかし、なぜ月に保管するのだろうか?Thanga教授は次のように語っている。

 

「約7万5千年前に、インドネシアのスマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こしたことに、その理由があります。その後、この大噴火は1000年に及ぶ地球の冷却期間を引き起こしました。(略)人類の文明はそのような大きな足跡があるため、もし崩壊したら、それは地球の残りの部分に悪影響を与える可能性があります」

 

またThanga教授は気候変動も、もう1つの懸念材料だとし「海面が上昇し続けると、ノルウェーにあるスヴァールバル世界種子貯蔵庫を含む、多くの乾燥した場所が水中に沈むでしょう」と指摘。(※スヴァールバル世界種子貯蔵庫とは、あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫のこと)

 

このことからThanga教授の研究チームは、地球上の生物のサンプルを別の天体に保存することにより、あるイベントで地球が完全に消滅した場合に、生物多様性が失われるリスクを減らすことができると考えている。

 

University of Arizona

月のどこに保管するのか?

 

ならば一体、どこにサンプルを保管するというのだろうか。

 

実は2013年に、科学者らは月面直下において約200本の溶岩洞のネットワークを発見している。これらは数十億年前に、溶岩の流れが地下の柔らかい岩を溶かし、その後洞窟として形成されたものだ。

 

溶岩洞は約30億年から40億年の間、手つかずのままと推定され、太陽放射線、微小隕石および表面温度変化からの避難所を提供することができると考えられている。

 

無論、月は人間が長期間住む場所としては快適な環境とは言えない。水や呼吸できる空気はなく、(溶岩洞の)気温も摂氏マイナス25度になる。

 

しかし逆に、このことが何百年もの間、冷却された状態を維持する必要のあるサンプルを保管するのに、最適な環境と考えられるという。Thanga教授はそこに、太陽光で稼働する保管施設の建設を想定しているそうだ。(了)

 

 

出典元:University of Arizona:Engineers Propose Solar-Powered Lunar Ark as ‘Modern Global Insurance Policy’(3/8)

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