米大学が開発したロボット、充電なしで5kmの道のりを走破
アメリカの大学で開発されたロボットが、長い距離を走り抜いたとして、注目を集めている。
機械学習を利用して制御する初のロボット
そのロボットとは「Cassie」。オレゴン州立大学の研究者によって開発され、同大学の関連企業「Agility Robotics」によって製造されたという。
「Cassie」は2足歩行で、ダチョウのような歩き方をするのだが、機械学習を利用して屋外の地形を走る動きを制御した、初の二足歩行ロボットとされている。
そして先日、大学のキャンパス内から始まる指定された5kmの道のりを、ケーブルなどにつながれていない状態のまま、1回の充電だけで走りきることに成功した。かかった時間は53分3秒となった。
走るにはバランス感覚が必要になる
「Cassie」は2017年にロボット工学のJonathan Hurst教授の指導のもと、米国防総省の高等研究計画局から100万ドル(約1億1000万円)の助成金を受け、16カ月間で開発されたという。
ただ走るためには、体勢を変えながら、動きながら平衡を保つ能力といった、ダイナミックなバランス感覚が必要になる。
そのため、「Cassie」は深層強化学習アルゴリズムと呼ばれる方法によって走り方を教えられ、バランスをとるための無限の微妙な調整を学んだという。
この深層強化学習は、AIの強力な手法で、「走る」「スキップする」「階段を上り下りする」などのスキルを発展させていくそうだ
しかも「Cassie」は設計・構築方法から非常に効率的な作りとなっており、今回も追加の充電をせずに、走りきることができたとされている。
「Agility Robotics」の共同設立者であるJonathan Hurst教授は、次のように語っている。
「二足歩行のロボットは、荷物の配送などの物流業務に加えて、いずれは自宅で人々を助けるための知能と安全性を備えたものになるでしょう」(了)
出典元:Oregon State University:Bipedal robot developed at Oregon State makes history by learning to run, completing 5K(7/25)