人間だけじゃなかった!?65種類の動物も笑える可能性
以前、数多くの動物も笑える可能性があるとする研究結果が発表されたのは、ご存じだろうか?
UCLAの科学者たちが研究
その研究結果は昨年の5月に、学術誌『Bioacoustics』に掲載され、分析調査はアメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の科学者たちによって行われた。
UCLA人類学大学院生で霊長類学者でもあるSasha Winkler氏と、UCLAコミュニケーション学部のGreg Bryant教授は、動物の遊び行動に関する既存の科学文献を徹底的に調べたという。
そして声による遊びのシグナル、あるいは笑いと考えられるものについて言及している文献を探した結果、少なくとも65種の動物で、声による遊びの行動が記録されていることがわかったという。
その中には、霊長類、家畜の牛や犬、キツネ、アザラシ、マングース、そしてインコやオーストラリアカササギを含む3種の鳥類が含まれていたそうだ。
「遊び音の特徴」を探す
研究チームは、動物の発声がノイズかトーンか、大きいか小さいか、高い音か低い音か、短いか長いか、単音かリズミカルなパターンか、などの情報を探し、遊び音の特徴として知られるものを探したという。
霊長類の「遊び顔」やイヌの「遊びのお辞儀」など、動物の遊びをベースにしたボディランゲージについては、多くの文献が残っていると研究者は述べている。
動物界で「遊び」とされるものの多くは、乱暴で喧嘩に似たものであるため、遊びの声はそのような身体的な瞬間に、非攻撃性を強調するのに役立つと、この研究論文は示唆しているそうだ。Winkler氏は次のように語っている。
「私たちが笑うとき、私たちはしばしば、自分が楽しんでいるという情報を他者に提供し、また他者を誘うのです。一部の学者は、この種の発声行動は、遊ぶ多くの動物に共通しており、そのため笑いは、古い発声遊びの信号が進化した人間版であると示唆しています」
研究者たちは、論文において「このように他の生物種に注意を払うことで、人間の笑いの形態と機能に光が当てられ、人間の社会的行動の進化をよりよく理解できるようになる」と書いている。(了)
出典元:UCLA:Animals laugh too, UCLA analysis suggests(2021/5/6)