グレートバリアリーフ、再び大規模な白化現象に襲われる
オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁・グレートバリアリーフ。ここが再び白化現象に見舞われていることが報告された。
深刻かつ広範囲な白化現象
この報告を行ったのは、グレートバリアリーフ海洋公園管理局だ。彼らはこのエリアのサンゴ礁について航空調査を行ってきたという。
また公園管理局は最近、サンゴ礁の一部で水温が3月の平均より最大4℃上昇していると警告していたそうだ。
そして今回、海水温の上昇により、グレートバリアリーフにおいて深刻かつ広範囲な白化現象の被害が確認されたと宣言した。
ラニーニャ現象の年に発生
グレートバリアリーフで大量白化現象が最初に確認されたのは1998年。その後も、2002年、2016年、2017年、2020年に再び観測されたという。
科学者たちは今回、白化現象がラニーニャ現象の発生した年に起きたことを懸念している。というのもオーストラリアでは通常、ラニーニャ現象が発生すると気温が下がるからだ。
しかも大量の白化現象が起きる周期も短くなっており、この6年間で4回目になるという。
公園管理局は「今後数週間の天候が、海洋公園全体のサンゴの白化の全体的な範囲と深刻さを決定する上で、引き続き重要である」と述べている。
気候変動に対する緊急の対策が必要
白化現象は、サンゴにストレスがかかると、光合成によってサンゴに生命を与えている藻類が失われることで起きると言われている。
オーストラリア政府は最近、サンゴ礁の保護対策に資金を投入することを約束した。
しかし批評家によれば、これらの対策は気候変動という圧倒的な脅威に対処するものではないという。またオーストラリアは化石燃料産業を支援しているとして、しばしば気候変動問題に対する取り組みにおいて、批判されてきた。
科学者たちは、世界最大のサンゴ礁が生き残るためには、気候変動に対する緊急の対策が必要であると述べている。(了)
出典元:BBC:Great Barrier Reef: Australia confirms new mass bleaching event(3/25)