休眠状態のブラックホール、天の川銀河の外で初めて観測
天の川銀河の外で、初めて休眠状態のブラックホールが発見された。
太陽の9倍、別の星の周りを回る
このブラックホールは、国際的な科学者チームによって観測され、「VFTS243」と名付けられたという。
「VFTS243」は、少なくとも地球の太陽の9倍の質量があり、太陽の25倍の重さの青い星の周りを回っていると考えられている。
研究者たちは、2年以上にわたりブラックホールの連星系を探しており、今回初めて天の川銀河の外で、休眠状態のブラックホールを発見できたそうだ。
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— JM (@jm22381) July 18, 2022
超新星爆発なしに誕生か?
恒星質量ブラックホールは通常、星がその寿命を終え、超新星爆発により自らの重力で崩壊した時に形成される。
また2つの恒星がお互いの周りを回る連星系では、一方の発光する星の軌道上にブラックホールが残るという。
ただし今回の、ブラックホール「VFTS243」を生み出した星は、それに伴う超新星爆発の兆候なしに消滅したことが示唆されたそうだ。
この「直接崩壊(超新星爆発を伴わない)のシナリオ」は、宇宙におけるブラックホール合体の起源に大きな意味を与えると、考えられている。
X線を放射していない場合は休眠状態
さらにブラックホールは、高レベルのX線を放射していない場合、休眠状態であると考えられるそうだ。
また通常ブラックホールはX線によって検知されるため、休眠状態のものは、周囲との相互作用が少ないこともあり、発見が難しいとされている。
「VFTS243」は、チリにあるヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡を使い、6年にわたりタランチュラ星雲を観測する中で発見されたという。(了)
出典元:The Guardian:First dormant black hole found outside the Milky Way(7/18)