中国企業が、野生のホッキョクオオカミのクローンを作り出す
中国の遺伝子関連企業は、野生のホッキョクオオカミのクローンを生み出したことを明らかにした。
2年間の研究を経て、クローン化
北京にある「シノジーン・バイオテクノロジー社」は9月19日、ホッキョクオオカミのクローンが北京の研究所で誕生して、すでに100日後になると発表した。
同企業は2020年にハルピンにある研究所と共同で、クローン技術を研究。2年間の研究の後、ホッキョクオオカミのクローン化に成功したという。
研究者らは、今回の誕生はクローン技術によって、より稀少で絶滅の危機に瀕した動物の繁殖を開拓するものだと述べている。
6月10日に誕生、名前は「マヤ」
このホッキョクオオカミは、6月10日に誕生し、「マヤ」と名付けられ、非常に健康な状態で動画でも紹介されているという。
ドナー細胞は、カナダからハルビンの研究所へ運ばれた野生のホッキョクオオカミの雌の皮膚から採取されたものだとされている。
卵子(卵母細胞)はメスの犬のもので、代理母犬はビーグル。核を摘出した(enucleated)卵子と、ホッキョクオオカミの体細胞から137個の新しい胚を作り、85個の胚を7頭のビーグルの子宮に移植、そのうち1頭から健康なオオカミ「マヤ」が生まれたという。
代理出産に犬が選ばれたのは、犬が古代のオオカミと遺伝的祖先を共有しており、クローン技術で成功する可能性が高いからだとされている。
クローン技術は慎重に扱うべき
クローン動物は無傷の受精卵があれば、まだ繁殖能力があり、クローン技術は全ての遺伝情報をコピーして選択的に繁殖させることができ、絶滅の危機に瀕した動物の個体を多様化させられるという。
しかし、クローン・ホッキョクオオカミに関しては、一部で論争が起こっているそうだ。
世界動物保護機構のSun Quanhui氏は「クローン技術は誕生以来大きな進歩を遂げたが、まだ完成されておらず、研究の模索段階にあり、技術的・倫理的問題が多く、慎重に扱うべきである」と述べている。(了)
出展元:Global Times:World’s 1st cloned wild arctic wolf makes debut, pioneering conservation of endangered wildlife through cloning tech(9/19)