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地球に落下した稀少な隕石、小惑星「リュウグウ」と起源が同じか?

地球に落下した稀少な隕石、小惑星「リュウグウ」と起源が同じか?
Twitter/Ashley James King

イギリスの科学者が、稀少な隕石の1つの起源について研究し、意外な事実が明らかとなった。

 

太陽系の外縁部から来た可能性

 

その隕石とは「イブナ(Ivuna)」と呼ばれ、1938年12月にタンザニアに落下したという。

 

その後、隕石はいくつかのサンプルに分割され、そのうちの1つがロンドンの自然史博物館(NHM)に収蔵されていたそうだ。

 

今回、自然史博物館の科学者らは、この隕石と、日本の探査船「はやぶさ2」が2020年に地球へ持ち帰った「リュウグウ」のサンプルを調査。

 

その結果、この「イブナ」隕石が、「リュウグウ」と同じく、太陽系の端から来たのではないかと考えている。

 

Twitter/METRO

「イブナ」以外に4つしかない隕石

 

「イブナ」は、「CIコンドライト」と呼ばれる極めて稀少な隕石のカテゴリーに属し、炭素を含む石質隕石だという。

 

しかも「イブナ」には、40億年以上前の太陽系形成時の原始的な化学的性質が残っており、生命にとって重要な成分の1つである水が含まれていることが知られている。

 

「イブナ」以外に、地球上に存在する「CI型隕石」は4つしか知られていない。フランスに落下した「オルゲイユ」と「アレイ」、インドに落下した「トンク」、そしてカナダに落下した小さな「レベルストーク」と呼ばれる隕石だ。

 

同じ母天体を共有している可能性

 

今回、サンプルが分析された「リュウグウ」は、40億年以上前に太陽系外縁部で生まれ、より大きな天体から分離して地球に向かって移動してきたと考えられている。

 

また「リュウグウ」は、炭素質小惑星(C型小惑星)の一種に属し、C型小惑星は、太陽系が形成された時の水や炭素、有機化合物を豊富に含んでいるという。

 

研究者は、「リュウグウ」も「CIコンドライト」も同じ宇宙空間、つまり太陽系の外縁部を起源にしており、同じ母天体を共有している可能性さえ否定できない、と述べている。

 

今回の研究の共同執筆者で、自然史博物館の上級研究リーダーであるサラ・ラッセル教授は、「小惑星と隕石の両方に含まれる鉄の形を比較することで、リュウグウがCIコンドライトと驚くほどよく一致することがわかりました」と語っている。

 

実は今年の6月に発表された、日本側による「リュウグウ」の分析結果でも、「イブナ」型の隕石との類似が指摘されていた。(了)

 

出典元:METRO:Scientists find the source of one of the rarest meteorites to fall on Earth(10/21)

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