南極大陸で最大級の隕石を発見、研究者らが調査
南極大陸で見つかったものの中で、最大級の隕石が研究者らによって発見された。
氷原を歩き続けるなどして調査
その隕石を発見したのは、シカゴ大学の研究者であるマリア・バルデスさん(フィールド博物館にも所属)とチューリッヒ工科大学のマリア・シェンベックラー教授、ブリュッセル自由大学に在籍するマエダ・リョウガさん、ブリュッセル自由大学のVinciane Debaille教授らだ。
彼らは南極大陸の地表に関する衛星データと機械学習ツールを使って、隕石が最も見つかりやすい場所を予測。
さらに氷原を歩き続けたり、スノーモービルに乗ったり、氷上でテントを張って寝たりして、発見の旅を何日も続けたという。
そして2022年12月、ついにプリンセス・エリザベート南極研究所の近くで、大きな隕石を発見した。
大半は微小隕石
この隕石の重さは7.6kg、これまで南極で見つかった隕石の中で、最大級のものになるという。
過去100年間に南極大陸で発見された隕石は4万5000個以上あるが、その大半は重さがせいぜい数百グラムの微小隕石だとされている
また南極で発見された隕石のうち、今回のものと同じ大きさか、それ以上のものは100個ほどしかないという。
小惑星帯で生まれた可能性
この隕石は、最も一般的な種類のコンドライトでできていると見られ、火星と木星の間にあるアステロイドベルト(小惑星帯)で生まれた可能性が高く、太陽系で最も古い物質を含んでいると考えられている。
また、この隕石は現在、化学分析のために、ベルギー王立自然科学研究所に送られており、デリケートな化学構造を破壊する融解を防ぐため、特別なクールボックスに入れられ輸送されているそうだ。
そもそも南極大陸には、地球上のどの地域よりも頻繁に隕石が落下するわけではない。しかし大陸の寒冷で乾燥した気候が、隕石を保存するのに役立っているという。
また氷河の活動により、氷の下に埋もれていた古代の隕石が掘り起こされることもあるそうだ。(了)
出典元:INDEPENDENT:Huge meteorite discovered in Antarctica contains oldest material in solar system(1/29)