約50年前に姿を消したトカゲ、絶滅が危惧されるも再び発見【オーストラリア】
オーストラリアで長い間、野生下で目撃されていなかったトカゲが、先日発見された。
ビクトリア州の環境大臣が発表
そのトカゲとは、「Victorian grassland earless dragon(Tympanocryptis pinguicolla)」だ。
ビクトリア州の環境大臣であるIngrid Stitt 氏は6月25日、このトカゲが再び発見されたと共同声明を発表した。
もっともビクトリア州政府などは、保護上の理由から、今回発見されたトカゲの生息場所を明らかにしていない。しかしこの個体数をより正確に把握するために、調査を現在も続けているという。
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最後に目撃されたのは1969年
このトカゲには外耳口と機能的な鼓膜がなく、成長すると頭から尾まで約15cmになるそうだ。
「Victorian grassland earless dragon」は以前、メルボルン西部の草原に生息していたが、生息地の劣化と分断化、不適切な家畜の放牧、野良猫などの捕食により、その数は減少していったという。
1969年にビクトリア州の町、Geelong地区で最後に目撃されてから、ずっと姿が確認できず、絶滅したのではないかと考えられてきた。
今まで捜索を続けたが、身を結ばず
動物学者らは近年、このトカゲを見つけようと努力を重ねてきたが、発見することはできなかったという。
ビクトリア州動物園も、2017年から積極的に「Victorian grassland earless dragon」を探し続けてきたそうだ。
ビクトリア州動物園の最高責任者であるジェニー・グレイ博士は、声明の中で次のように述べている
「この絶滅の危機に瀕した、謎めいたトカゲの素晴らしい再発見は、ビクトリア州に生息する種の回復にも、明るい希望を持たせてくれます。ビクトリア州動物園は、キャンベラ・ドラゴンのために、メルボルン動物園で繁殖回復プログラムを通して磨かれた専門知識を身に着けるために、数年間費やしたことを誇りに思っています」(了)
出典元:The Guardian:Australian earless dragon last seen in 1969 rediscovered in secret location(6/25)